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英雄は誰がために立つ
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ていた。
 この2人の対照的な違いから、自分が変なタイミングに来ただけだと瞬時に分析し理解するソーナ。

 「ええ、ご心配には及びません。もう、大丈夫です。それと椿姫、そんなに慌てなくても大体の事情は理解出来たので落ち着きなさい。何時までも一人だけで(・・・・・)混乱していても空しいだけですよ?」

 ソーナの視線は最初に士郎で、次に椿姫、また更に士郎へ向き最後に椿姫に戻った。

 「・・・・・・っ、そうですね。理解が早くて助かります、会長」

 ソーナの態度に落ち時を取り戻した椿姫は、結界を解いてから士郎に対して冷ややかな目線を向ける。

 「な、なんだ?」
 「いえ、いいです。本当に今更ですから」
 「なんなんだ・・・・・・(ガクッ)」

 椿姫の言いたい事が分からずに(こうべ)を垂れる士郎。

 ソーマを先頭に3人分ほど離れて士郎が頭を垂らしながら続き、また3人分ほど離れた形で椿姫が続く。

 そんな状態で屋上を後にする3人だが、一番後方に居る椿姫の胸中は複雑だった。

 先程まで背中に寄り添っていた時は、本当に頼りがいのある大きな背中だった。
 まるで昔の幼い頃の、兄や父に“何か”から守られている感覚だった。
 とは言っても、彼女は自身の内に宿った神器(セイクリッド・ギア)の異能による力の影響が災いして、迫害された身ではあったが。

 しかし、打って変わって今このときは何とも情けない背中だった。大きく逞しいのは変わりないが。

 (本当に今更ですが、士郎君はいろんな意味で罪作りですね)

 そんな士郎に対して量りかねない思いが、椿姫の胸中を独占していたのだった。


 −Interlude−


 その日の夜。

 気配からも確認した上で、ゼノヴィアが自室に居る事を把握し終えてから、冥界に居るサーゼクスと通信機を通して会話をしている士郎。
 内容は近々行われる会談への件についてだった。

 「――――魔術協会からは誰が来るんですか?」
 「メフィスト・フェレスさんは立場上無理だから、トップの4人になるかな?」
 「そのうち1人は絶対に来ませんよ」
 「何故わかるん・・・・・・あー、彼か・・・」

 士郎に言葉に聞き返そうとするも、直に思い出したサーゼクス。

 「ええ、あの人です。俺もお会いしたことは無いんですが、噂通りならまず来ないかと・・・」
 「『異形嫌い』・・・か」
 「特に悪魔は嫌っていますから・・・。最悪誰も来れないでしょうね」

 通信機越しでも分かるような程の、嘆息するサーゼクスの姿が想像できる士郎。

 「後、出席するのは『導師』ですか?」
 「ぅん、『先生』だね。そもそも今回の会談は、コカビエルの襲撃の事件が結果的に
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