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英雄は誰がために立つ
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構いませんよ。そんな安い挑発にムキになるようでしたら、小物過ぎると評価を改めるだけです』
 「―――・・―――――っ言ってくれるじゃねぇか!」

 電話越しにだが、藤村士郎(幻想殺し)に対して本気では無いモノの殺意を向ける。
 当然そんな殺意の矛先は表面上、一誠に向いている訳なので永き時の中で()きてきた堕天使の頭目の軽い殺気だ。当然の事乍らビビっていた。

 『何をそんなに怒気を孕ませているのですか?私は、とある人物にと言ったんですよ?』

 そんな当の言葉を口にした元凶は、自重するどころかさらに皮肉ってくる始末だった。

 「―――――・・・―――そうだったな。それに今回は俺も確かに軽率過ぎた様だ。オイッ!赤龍帝」
 「あ、あん?」
 「趣味だったとはいえ、営業妨害も含めて悪かったな!少なくとも会談が始まるまでは、俺も自重しよう」

 一誠に謝罪をした後に、翻ってその場を後にするアザゼル。
 電話越しの相手には何の言葉も残してはいかなかったが。

 そんな空気に取り残されたオカルト研究部メンバーは、取りあえずアザゼルの助言が真実か見極める事をも含めて、ギャスパーの修業を開始する事にした。
 そこで、電話から声が発せられた。

 『では私はこれで失礼する』
 「あっ、はい」

 その言葉と共に電話の切れる音が響いた。


 −Interlude−


 「――――ふぅ、行ったか。全く、あの総督も会談前なんだから、自分の立場を弁えろと言うんだ」
 「・・・・・・・・・・・・・・・」
 「さて椿姫、もう結界を解いてくれていいぞ?投影物を霧散(消した)から、魔力が漏れる心配はもうない筈だ」
 「・・・・・・・・・・・・・・・」
 「――――っと、椿姫?」
 「・・・・・・え?あっ、は、はい!?」

 士郎が振り向くと、彼女は士郎の背中に寄り掛かりながらボーっとしていたため、彼女はそのまま崩れるように斜めになり士郎の懐内に収まった。
 そんな状態になっていたので、身を取り繕う暇なく困惑する椿姫。
 そんな時・・・。

 ギィィ。

 「――――椿姫、此処のチェックは終わ・・・りまし・・―――何をしているのですか?ふ・た・り・と・も!」

 この状況で、会長としての責任に駆られて、気を取り戻して校内の見回り序でに椿姫の確認に来た処で、ソーナと接敵してしまった士郎と椿姫(2人)
 士郎と椿姫の今の状態は、傍から見れば恋人同士が抱き合っている状態なのだから。

 「え?会、長・・・―――って!違います、違いますよ是は!?これは、そのですね――――」
 「ん?ソーナじゃないか。もう、大丈夫なのか?」

 一方は赤面しながらしどろもどろになり、もう一方は落ち着い
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