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英雄は誰がために立つ
Life8 秒読み
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廻りの悪い鈍感さには失望―――――いえ、絶望していると言った処でしょうか・・」

 今度は憐れみともいえる視線を受けて、何も言えなくなる士郎。
 だがそんな状況に追い込まれても、鈍感故に何故自分がここまで追い込まれているのか解らないでいた。

 そんな如何しよも無い状況でも事態は動く(←士郎にとっては不幸中の幸い)。

 「ん!?」
 「如何かしましたか?今更・・・」

 今も直、士郎に侮蔑と憐れみを織り交ぜた視線を送り続けていた椿姫は気付かなかった――――いや、気付けなかった。
 何せ、士郎の視界に入ったのは・・・。

 「椿姫、結界を張れるか?」
 「何を言って「出来るのか、出来ないのか!」え!?で、出来ますが・・・」

 急な士郎の口調と態度の変わりように、困惑する椿姫。

 「なら今直張ってくれ!それから、張り終わったら俺の後ろに隠れて俺の前側を覗こうとするなよ?――――信仰心のある奴は勿論、無い奴でもこれから投影(出す)のを見れば“引き込まれるぞ”!!」

 椿姫に説明しながら、変声期を勝手に内蔵させたハンズフリー片耳に付けて、素早く携帯を操作し終える。

 「は、はい!」

 士郎の言葉に黙々と従う椿姫。真剣な態度に何かあったのだろう判断したのだ。
 白龍皇の突然の来訪時も、一番最初に気付けたのは士郎だったのだから。

 そして言われるがまま結界を張り終えた後、椿姫は士郎の大きく逞しい背中に寄りかかる様、体を預けた。

 そんな当の士郎は、そんなシチュなどお構いもせず何時の間にか投影していた黒塗りの洋弓左手に携えてから呟く。

 「――――投影、開始(トレース・オン)

 自身に素早く埋没し、彼の槍を検索して引き出す。
 それは真紅に彩られており長く、中程から二つに分かれたが故に尖端が二つある槍。
 そして、真名解放を行っていないにも拘らず、僅かに聖なるオーラが滲み出るそれは聖槍に他ならなかった。

 そのまま洋弓に番えると、携帯が相手に繋がったのか声を出す士郎。

 『私だ兵藤一誠、幻想殺しだ――――』


 −Interlude−


 リアスに朱乃、それと祐斗以外のオカルト研究部メンバーは、ギャスパーのお守と言い換えていいのか解らない強制特訓を敷いていた。
 そんな時に神の子を見張る者(グリゴリ)の総督アザゼルが襲来?してきた。
 それに、何が目的が未だにはっきりとせず、神器(セイクリッド・ギア)について語りだすアザゼル。

 因みに、アザゼルが来訪する少し前に元士郎が訪ねて来たために一緒に居る。

 それで言いたい事を言え終えたのか、満足そうなアザゼルは踵を返そうとする。
 そんな不敵な笑みを浮かべるチャラ男に、文句の一つも言
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