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英雄は誰がために立つ
Life8 秒読み
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る様だ。だが・・・。

 「あ、いえ!別に嫌と言う訳では・・・・・・って!ですから藤村先輩!真羅副会長がお待ちなんです!」
 「解ってるって、そんなの怒らなくてもいいだろ?」

 無理矢理追い出す形で士郎を促す苅山。
 それに逃げる様にと言うのは大げさだが、急いで入口に向かって言った士郎。

 「ゼェェー、ハァァー、ゼェェー、ハァァー・・・・・・」

 顔を赤め乍ら息を落ち着かせようとするそんな苅山を、男子部員の何名かが距離を置いた一角でそれを見る。

 「やっぱり部長、可愛いですよねぇ」
 「まぁな・・・。けど苅山の本命は藤村だからなぁ」
 「それ言ったら、この学園の最低でも3分の1の女子生徒の本命が藤村先輩すっよ?」
 「クッソー、爆発してくんねえかなぁ?」
 「お前それ、毎日言ってるよな?」

 そんな不毛な会話をしていると後ろに居たもう何名かも加わって来た。

 「一度でいい一度で・・・・・・」
 「何だ?お前も爆発してほしいのか?」
 「いや、体交換してくんねえかなぁ?」
 「無理だろ。つかそれ、多分それあんま意味ねぇかもだぜ?」
 「なんでだ?」
 「藤村先輩(あの人)の魅力ってのは、容姿や完璧超人級のスペックってのもあるだろうが、それに合わせてある内面や気配りとかもだから、お前と変わったら瞬時に好意を向ける女子の人数減るだろうぜ?」

 「「「「「確かに」」」」」

 「おいっ!?」

 などと、男子部員がバカ騒ぎしているのをよそに、女子生徒もグループを作って苅山の様子を見ていた。

 「いーなー、部長!藤村先輩に撫でてもらえて!」
 「確かに羨ましいけど、アンタって確か中年趣味じゃなかったっけ?」
 「ナイスミドルって言ってって言ったでしょ!兎に角、藤村先輩だったらいいのよ!他の男どもと違って大人だし、包容力が有りそうじゃない?」
 「けど、鈍感よ?周知の事実として」
 「そこがいんじゃない!周りの有象無象と違って、歳不相応の大人の魅力に入っている隠し味的なアレで!」

 そんな風に徐々に白熱していると双方に・・・。

 「貴方達!いい加減にしないと、藤村先輩のお叱りを後で受けてもらうわよ」

 この事に不満を感じつつも皆練習に戻ったが、2名だけ恍惚な表情で突っ立ったままである。

 「藤村先輩からの直々のお叱り?」
 「はうぅん♪♪」

 この事に真に頭を痛める苅山だった。


 −Interlude−


 「ずいぶんと仲がよろしいですね?」

 士郎は今、椿姫と共に校舎の屋上へ並んで歩いていた。
 既に秒読みに入っている、三竦みの会談に向けての警備チェックのためだ。

 「そりゃ、一年と少しの間一緒に過ごしてきた可愛い
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