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とにかく集めて
第四章
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「ここは薬屋だしな」
「駄目?」
「毒じゃないよな」
「毒薬は作らないから」
 作られてもだ、アンナは自分のポリシーで作らないのだ。そうしたところはしっかりと良心を守っているのである。
「そういうのじゃないから」
「じゃあ体力回復とかか」
「そんなところよ」
「なら丁渡いいさ、昨日まで仕事しててな」
 それで、というのだ。
「結構疲れてるからな」
「都合がいいわね」
「ああ、じゃあな」
「本当に都合がいいわ」
 こうも言ったアンナだった。
「とてもね」
「とても?」
「ええ、じゃあね」
 それならと言ってだ、それでだった。
 アンナはゲルマンにあるものを差し出した、それはというと。
 ガラスの瓶の中の薬だった、透き通った水の様な。その薬を見てゲルマンは持っているアンナに対して問うた。
「まさかと思うけれどな」
「何?」
「この薬あれだろ」
 直感的にだ、察して言った言葉だ。
「俺が集めた素で作った」
「いや、それは」
 そう言われてだ、アンナは急に慌てだした。ゲルマンはその彼女を見て確信してさらにこう言ったのだった。
「そうだな」
「ち、違うわよ」
「違うのなら何でそんなに慌てるんだ?」
 今度はアンナのその狼狽を指摘した。
「落ち着いてるだろ、普通は」
「だからそれは」
「じゃあその薬の調合知り合いの学者さんに調べてもらうけれどいいか?」
 ゲルマンはアンナにこうも言った。
「そうしていいか?」
「何でそこまでするのよ」
「どんな薬か気になるからだよ」
 それで、というのだ。
「それなら当然だろ」
「そんな必要ないわよ」
「何で必要ないんだよ」
「だって毒とか入ってないから」
 このことは断言するアンナだった。
「私そんなの作らないから」
「それは知ってるけれどな」
「どんなお薬か気になるからっていうの?」
「じゃあどれが素なんだよ」
「・・・・・・あんたが集めてくれたものよ」
 観念した様にだ、アンナはゲルマンに答えた。
「それよ」
「それを使ってか」
「そうよ、調合してね」
「その薬作ったんだな」
「だから何の問題もないわよ」
 アンナが言ってゲルマンに集めてもらったものだからだというのだ。
「全部毒のないものばかりだから」
「毒がないことをやけに強調するな」
「だって本当のことだから」
「それでか」
「そう、安心していいから」
「じゃあ何の薬なんだ」
 ゲルマンは今度はアンナにこのことを問うた。
「一体」
「何の薬でもいいじゃない」
「何の薬かわからないで飲めるか」
「いいじゃない、毒はないわよ」
「またそう言うのかよ」
「事実だからよ、とにかくこのお薬を飲んでね」
 そして、というのだ。
「私を見ればいいのよ
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