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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第四十話 目覚めの時
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一枚の恰好では肌寒いだろう。
「―――
投影、開始
(
トレース・オン
)
」
投影したのは毛布を一枚と三つのサイズ違いの女性物の上着と男性物の上着が一枚。
「転移?」
「残念ながら違う。俺の専門の魔術だ。
質問には後で答える。彼女に毛布を、それとそれぞれ上着を着てくれ。
いくらなんでもこの時期にその格好は目立つ」
まあ、俺の赤竜布も十分目立つのだが気にしないでおこう。
「彼女の飲んでいる薬はあるか?」
「あ、はい。これです」
ショートヘアーの女性が薬の袋を渡してくれる。
その袋には『八神はやて』という彼女の名前と海鳴大学病院の文字。
海鳴大学病院か。
あそこならこの時間でも救急病院だから対応できるだろう。
それに彼女の飲んでる薬も単なる風邪薬ではないようだし、急いだ方がいいか。
彼女達が服を着たのを確認し
「なら病院に案内する。君らは飛べるか?」
「ああ、問題ない」
ポニーテールの女性が平然と答える。
彼女と話しているとかつての相棒である彼女を思い出すな。
そんな事を思いつつ
「それならついて来てくれ」
一気に跳躍し近くの家の屋根にのる。
俺は空こそ飛べないが速度は出せる。
空を飛ぶのではなく跳ぶ事で案内しようとする俺に彼女達は少し驚いたようだが、彼女達も空にあがる。
それを確認し、跳躍し横目でちゃんと付いてきているのを確認しながら最短距離で病院を目指す。
そして、病院の近くで大地に降りて、病院の救急外来に駆け込んだ俺達であった。
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