第六章 颶風の巫女
第8話 隠された力
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同時、上条が手をクイっと上げた。
その刹那、
エレンの目の前で風が円柱状に渦巻いて地面から遥か上空へと解き放っていった。
エレン「一体何を……」
エレンは目の前の風の渦に疑問を持った。
それと同時、
横から何かが来る気配がした。
エレン「………っ!!?」
エレンは胸を張り、背中を曲げて、いわゆる海老反り状態で、その何者ーー上条当麻の攻撃を避けた。
海老反り状態のエレンの目の前を上条当麻の拳が横切って行くのを目に焼き付けながら。
エレンはそのままバク転を数回して上条との距離を取る。
エレン「……フェイク、ってわけですか」
上条「……」
感心するようにエレンは言うが目の前の上条当麻に恐怖と興味が混じり合った、初めての感覚に胸が踊っていた。
そして、思った。
面白い、と。
エレン「久しぶりに楽しめそうですね……」
彼女は風を薙ぎはらうように右手を振り、上条当麻に戦闘の意思を見せる。
だが、
上条「悪いが、俺はあんたとは戦う気はない」
首を振り、真っ直ぐにエレンを見つめる。
エレン「……仕掛けてきたのはそちらでしょう?」
上条「確かにな……俺はあの時、あんたにキレたよ。けど、考えが変わった。あいつを見たらな」
エレン「あいつ……?」
上条がゆっくりと身体を振り向かせ、エレンにそれを見せる。
エレン「な……っ!?……ど、どうして五河士道があれを……!?」
思わず警戒してしまった。身構えてしまった。
それほど、今自分が目にした光景は驚くべきものだった。
上条「あれが……士道の『願い』だよ」
なぜなら
上条「士道は、この世界の希望だ」
彼の手には
上条「士道を狙うなら俺″たち″が容赦しねぇ……。それでも来るってんなら、いつでもお前らの幻想をぶち殺してやる」
光り輝く剣が、握られていたのだから。
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