第六章 颶風の巫女
第8話 隠された力
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或美島の中央では、激しい烈風が吹き荒れていた。
その中心で、似て異なる二人が激突していた。
耶倶矢「あんたは優しすぎんのよ!せっかく私が主人格を譲ってあげようって言ってんだから!」
夕弦「拒否。夕弦は初めから主人格になる気はありませんでした」
耶倶矢「八舞に相応しいのはあんたしかいないじゃない!」
夕弦「拒否。それは違います。真の八舞の名は耶倶矢こそが得るべきです」
耶倶矢「っ、私より飛ぶの速いくせに!」
夕弦「耶倶矢の方が力が強いです」
耶倶矢「私よりスタイルいいくせに!」
夕弦「耶倶矢の方が肌が綺麗です」
耶倶矢「私より可愛いくせに!」
夕弦「反論。それは譲れません。夕弦より耶倶矢の方が可愛いに決まってます」
互いを褒めあう口喧嘩をしながら二人は激突していた。
吹き荒れる風をバックに、上条、士道、十香は別の敵と対峙していた。
士道「な、なんだこいつら……」
猫背気味の姿勢でじりじりと距離を詰めてくる人形に若干の恐怖を覚えた。
エレン「DD-007〈バンダースナッチ〉……といっても、分からないでしょうか」
上条「(学園都市でいう、掃除ロボみたいなやつ?)」
その時、上条はあの円柱状の機械を思い出していた。
でもすぐに切り替えて彼女を睨みつける。
上条「あんた、何者だ?」
エレン「それはこちらのセリフですよ。いつから私が怪しいと?」
上条「最初から……具体的には飛行機の中からだ。あんたの呟き、しっかりと聞いたからな」
エレン「………なるほど、それは迂闊でした。それにしても本当に今日はよく驚かされます。あの二人も精霊だったんですから……しかも、優先目標である〈ベルセルク〉ときたものです。積もり積もった不運の代償としてはお釣りがきますね」
士道「な……」
思わず眉をひそめる。この人は今、八舞姉妹のことを〈ベルセルク〉と呼んだのだ。
士道「AST……?」
無意識に、呟くように言った。
エレン「ほう、陸自の対精霊部隊のことをご存知ですか。しかし残念ながら外れです」
上条「………」
と、突如、人形達が姿勢を低くし、士道と十香と上条に向かって飛びかかってきた。
士道は思わず目を瞑ってしまったが、十香は浴衣の周囲な限定霊装を顕現させ〈鏖殺公〉で薙ぎ払い、上条はその人形を殴り倒していた。
十香「シドー、大丈夫か?」
上条「……?」
エレン「やはり〈プリンセス〉、本物でしたか……」
士道「十香の識別名まで……!?」
と、上条はハッと何かに気づいた顔をしたかと思うと、エレンを睨んだ
上条「あんた、まさか……」
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