暁 〜小説投稿サイト〜
カジノ王
第五章

[8]前話 [2]次話
「これでも足りないかも知れないしな」
「おいおい、そこまでしてもか」
「まだ足りないか」
「そこまでしても」
「その時はまた金を稼いでくるしやり方も出す」 
 そうしてというのだ。
「とにかく、アメリカ人であってアメリカ人でない俺達はな」
「とことんまでしないとか」
「無理なんだな」
「飼い殺しの立場を抜け出せない」
「徹底的にしないと」
「ギャンブルはすれすれだよ」
 犯罪、裏社会とだ。ジェロニモは真剣な顔でこのことも指摘した。
「けれどな」
「俺達はそのすれすれでもしないとか」
「どうにもならないのがか」
「現実か」
「そうなんだよ」
 ジェロニモは少し皮肉めいた笑みになって友人達に言った。
「俺達はな」
「他のアメリカ人と違ってか」
「そこまでしてか」
「やっとのし上がれる」
「そうなんだな」
「まあ何も出来ないよりましか?」
 一人がこんなことを言った。
「カジノでも」
「だろうな、前は何も出来なかった」
 フロンティアの時代からついこの前までは、とだ。ジェロニモはアメリカの歴史からその彼の言葉に応えた。
「それこそな」
「そうだよな、まだカジノが出来るだけな」
「ましだろうな」
「そうなるな」
「ああ、じゃあここをカジノの場所にしてな」
 そして、というのだ。
「俺達も上がっていこうぜ」
「そうしてだな」
「これから」
「俺達だって上がらないとな」
 例えネイティウだとしても、というのだ。
「だからやろうぜ」
「ああ、これからな」
「やっていくか」
 友人達も応えた、彼等の目には光が宿っていた。
 人を集め小さいながらもホテルやレストラン、風俗店等も置いていって宣伝もしてだった。カジノに人を呼んだ。そして違法すれすれのこともした。
 そうして居留地は以前とは見違えるまでに賑やかなものとなった。ジェロニモはその中でネイティブ達の顔役にまでなった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ