第五章
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そのうえでだ、真宙は佑樹に今度はこう囁いたのだった。
「ねえ、調べてみる?」
「このデモ隊か」
「あと僕達の団体とかね」
「但馬さんや逵本先生のことをか」
「変だよ、絶対」
そうとしか思えないからだというのだ。
「調べよう」
「それがいいな」
「うん、何かこのままいてもおかしなことになるだけだと思うから」
「そう思えて来たな、実際に」
「だからな」
こう言ってだ、そのうえで。
二人はこのデモの後で自分達で調べだした、環境問題の活動や原発問題、それに慰安婦問題についてだ。それでだった。
慰安婦問題について調べているうちにだ、二人は驚くべきことに気付いたのだった。
「何、これ」
「おい、おかしく思った筈だよな」
「慰安婦の話ってインチキじゃない」
「ああ、全くのな」
二人はまずこのことに気付いたのだ。
「訳のわからない団体が言い出して」
「あの新聞が嘘書いてか」
「それでその慰安婦の人達の証言も」
「言う度に違っていてな」
「しかもだよ」
真宙は顔を強ばらせて佑樹に言った。
「言い出してる人達あの国と関係深い人達で」
「だよな、軒並みな」
「しかも話のすり替えとかばかりで」
「この人達絶対に嘘だとわかっててやってるだろ」
そうとしか思えなかったのだ、彼等が見たところ。
「どう考えてもな」
「そうだね、おかしいね」
「慰安婦なんてな、それこそ」
佑樹は眉を怒らせつつ真宙に言った。
「最初から嘘吐きの証言からはじまってな」
「そうだね、吉田清治っていう」
「慰安婦の人達の証言もおかしくて」
「何から何までね」
「おかしなことしかないじゃないか」
「それを何でああ騒ぐのかな」
「どう考えてもおかしいぜ」
佑樹ははっきりと言い切った。
「この件はな」
「そうだね、しかも他のあの人達が戦争責任だと言うことも」
「何か嘘ばっかりだな」
「新聞からして嘘書いてるし」
「そもそも何で環境保護団体が慰安婦とか戦争責任言うんだ?」
「あと大企業がとか言うけれど」
「それ市民活動じゃなくてな」
佑樹はここで最大の疑問を言った、
「共産主義じゃないのか?」
「うん、そうだよね」
真宙も佑樹のその言葉にはっきりとした声で答えた。
「大企業の横暴とか言ってるし」
「そういえばデモの時な」
「そうそう、ヘルメットの人とかいたけれど」
「あれ何だと思う?」
「学生運動?」
かつての、昭和四十年代に世を騒がした過激派の学生達である。マルクス主義にかぶれ暴れるだけが取り柄だった愚か者達である。
「あれかな」
「赤軍派とか革マル派とかいたよな」
「連中テロリストだけれど」
「テロリストがデモに出入りしてな」
「但馬さんとか逵本先生って」
「そう
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