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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
策謀
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子とガンマ線は一分もの間照射を継続。
そして超高温の空気は猛烈な上昇気流となって巨大なキノコ雲と局地的な火事嵐を形成し、三十分後には放射性降下物を凶悪なまでに吸い込んだ黒い雨が降る。
決して、熱や風だけなのではない。
放射線、熱線、衝撃波、黒い雨。
列挙しただけでこれだけの災厄を撒き散らす原子爆弾を、それでもまだ超えるというあの鉄製卵(に見える爆弾)。
先刻の話が本当ならば、反物質なるもの一グラムであの災厄まるまる一個分が再現されるという。あの卵は全長三十センチ。どう考えても、あの中に一グラムしか入っていないなんていう希望的観測はさせてもらえそうにない。
「大分前にやってたイベントボスが持ってたアイテムでね。どっかのバカがしくじった時に、個人用に用意されたイベントマップごと吹き飛ばされたらしいわ」
淡々としたリラの口調が、比喩や誇張ではないことをまざまざと伝えてくる。
「――――ってことは、人質立てこもりじゃなくて」
「自爆テロ、だね。完璧」
ミナとレンが深刻そうに言い交わした言葉をもってして、そうかとユウキは思う。
これだけの人数を《捌く》には確かに重火器がいるのは確かだが、何もここまで強力なものを出す意味はない。
殺した、という行為をはっきりと確認させるのは意外に困難ではあり、その手段として爆発物というのはお手軽でポピュラーなのだが、大型船を丸ごとチリにするような爆発力ははっきり言ってオーバーキルすぎる。
つまり、本当にいざとなったら、ていうかぶっちゃけ面倒くさくなったら、徹底的にプレッシャーをかけていって勝手に自滅するのを待っていればいいことになってしまう。結果的にいえば彼らの要求は棄却され、さらに自軍の頭数を減らすという、あらゆる意味でデメリットしかないことになる。
ということは、そもそも最初から黒尽くめ達はここに死にに来ていることとなる。
見方が違うのだ。
要求ありきで来ているのではなく、最初から政府高官達の殺害が目的。要求はあくまで、叶ったらいいなくらいのものなのだから。
この違いはかなり大きいと言わざるを得ない。
要求を主目的とした立てこもりの方向ならば、まだ要求が通じるか否かの説得の応戦があるのだが、自爆の場合はそれがない。もともとあんまり期待していない要求が通りそうにないと悟った時、彼らは容赦なくドクロスイッチなり信管なりを押すことだろう。
おそらく、会話役を担っていたのはレンが真正面から撃破したあの大男リーダーだろう。リーダーが亡き者にされてまであの爆弾が起爆していないのは、単純にまだ事実が伝わってきていないのだろうか。アタマが撃破されてまで黒尽くめ達に要求を押し通すつもりはない。さらに、反撃する者達を無理に追撃する必要もない
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