幼年期編
第9章
あかいあくま
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凛はなぜか疲れたようにそう言うと道場での出来事を思い返す。
あんな衝撃的な出来事があったのにもかかわらず平然と食事をとっているのもどうかというわけである。
少なくとも士郎と出会った当初の凛ならば少なくともあらかた事情を聞くまではしただろう。
「む、それは当麻のおなかが鳴ったからではないでしょうか?」
凛が考えていると騎士王さまがおっしゃるのだが事実は少し違う。
「…最初におなかの音が鳴ったのはアルトリアだったと思うのだけれど私の気のせいかしらね?」
正確には騎士王さまのおなかが鳴った後、当麻のお腹も鳴りなんだかんだで有耶無耶になって食事という流れだ。
まぁ凛も美琴と当麻に悪意や敵意といった物が無いと確信していたので早急に聞き出す必要性は薄いと感じていたのだがそれはそれ。この状態になった最初の原因は間違いなくアルトリアにあると思っている凛であった。
「まぁ、食事の後にでも聞けばいいから問題はないけど」
凛はそういうと気絶しながらも手を離さない当麻と美琴へ優しいほほ笑みを向けると食事の続きに取り掛かったのだった。
もちろん食事の後こそは事情聴取する事を心に誓って。
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