暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜十一番目のユニークスキル〜
唯一無二の不確定因子
第二十四話 生存
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「一刻も早くここから脱出する」

 早くしなければ、手遅れになる。一秒でも早く生存していることを伝えなければ、と決意し、立ち上がった時だった。
 索敵に反応があった。背後に一人のプレイヤー。

「誰だ!?」

 俺は素早く振り返り、唱える。

「アルキミア・アーマメント!!」

 白銀のオーラが自身を中心に、らせん状に立ち昇る。同時に、俺は反応があったところを睨んだ。
 しかし、相手の姿を確認した途端、俺は脱力してスキルを解除した。その理由は知っている顔だったから。少し前に、とあるクエストをクリアしに行ってくると言って、一時的に別れを告げた俺の親友。

「ユージオ・・・・・・」

「リオンなのかい・・・・・・?」

 俺は十秒ほどかけて、目の前の亜麻色の髪をした少年の姿を見続けた。あちらも俺のことを、目を点にして見ていた。束の間の沈黙、先に破ったのは、なぜか、表情をひどく歪めたユージオだった。

「どうしてリオンがここにいるんだい? まさか・・・・・・僕を追ってきたのかい?」

 そうゆうことか・・・・・・どうして怒ったような表情を浮かべているのか疑問だったが、今理解した。
 ユージオは、俺が心配のあまり、追いかけてきた、と思っているんだろう。
 彼は俺が死んだことを知らないのだから無理もない・・・・・・ならまずは誤解を解こう。

「いいや、誤解しないでくれ。そんなバカなことはしない」

「じゃあどうして?」

「俺もよくわからない、けどユージオがここにいることから、ある程度検討はついた」

 ユージオは首を傾げ、実に不思議そうな顔をする。そんな彼に、俺はさっきまでの出来事を全て話した。

「僕がいない間にそんなことが・・・・・・」

 納得してくれたようだが、相変わらず顔は優れない、恐らく、その場にいなかったことに対する自責の念、そして何よりアリスが心配なのだろう。だが、彼を励ましている時間はない、一刻も早く俺が生きていることを伝えなければならないのだ。

「・・・・・・ユージオ、落ち込んでいるところ悪いが、俺を黒いコンソールとやらが、あるところに連れて行ってくれ」

 要件を素早く伝える。ユージオがいてくれたのは本当に助かった。彼は一度、この場所から、黒いコンソールを使って、アリスたちがいる場所へと帰ってきているのだから。
 しかし、物事はそううまくいくものではないと、俺は知ることになる。

「それはできない」

「できない・・・・・・? なんでだ!! アリスが心配じゃないのか!?」

 俺は予想に反し、首を横に振るユージオに怒鳴った。どうして彼がそんなことを言うのか、深く考えずに。

「心配に決まっているだろう!! でもね、できないものはできないん
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