第4部 誓約の水精霊
第7章 遭遇
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を呆然と見守る中、ウルキオラが立ちふさがった。
なぜ立ちふさがったのか、ウルキオラ自身もわからなかった。
しかし、止めなければならないと、本能が呼びかけているのだ。
「寝言は寝て言え、アンリエッタ」
アンリエッタの肩が、全身が、震えている。
「恋も愛も理解できない。人間とまともに付き合ったことがないからな。だが、それが愛ではないことはわかる。ただの戯言だ。冷静になれ」
「どきなさい、命令よ」
精一杯の威厳を振りしぼって、アンリエッタが叫ぶ。
「人間風情が、俺に指図するな」
ウルキオラの冷徹な言葉に、ルイズとタバサ、キュルケは唾をのんだ。
「……殺すぞ?」
ウェールズが風の魔法を放つ。
ウルキオラが放った虚弾とぶつかり合い、相殺された。
その刹那、ウルキオラに水の壁が襲いかかる。
それを片手で受け止めた。
杖を握ったアンリエッタが、震えながら立ちすくんでいた。
「ウェールズ様には、指一本たりのも触れさせないわ」
水の壁はウルキオラを押しつぶすかのように動く。
次の瞬間、アンリエッタの前の空間が爆発する。
アンリエッタが吹き飛んだ。
エクスプロージョン。
ルイズが魔法を詠唱したのだ。
「姫様といえど、ウルキオラには指一本触れさせませんわ!」
髪の毛を逆立て、ぴりぴりと震える声でルイズが呟いた。
ウルキオラが水の壁をかき消す。
「なるほど…よほど死にたいらしいな」
霊圧を開放する。
辺りの木々や、地面が戦慄する。
ウルキオラの霊圧で、呆然と成り行きを見ていたタバサとキュルケが呪文を詠唱した。
アンドバリの指輪で復活したアルビオン貴族も呪文の詠唱を開始する。
「お前たちは周りのカスどもをやれ。俺はウェールズとアンリエッタをやる」
「了解」
「わかったわ」
タバサとキュルケが答える。
「いい?姫様は殺しちゃだめよ?」
ルイズがウルキオラに忠告した。
「ああ」
ウルキオラvsウェールズ&アンリエッタ。
タバサ&キュルケ&ルイズvsアルビオン貴族十数名。
悲しき戦いが、始まった。
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