始まりから二番目の物語
第六話
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身体を起こして貰い、咳き込む背中を優しくさすってもらう。
瞳を開く事が出来ない為に、何処の誰かは解らない。
もしかしたら、病院の看護婦とかであろうか。だが、病院特有の消毒液の匂い等はしない。
「…お水です、飲めますか?」
口に何かの容器が当たっている。
俺は頷く事で返答をする、水が口の中を潤して喉の痛みを流し込んでいく。
それを咳き込みながらも、飲み干す。
「……あり、が……ございま…」
少し時間が経過したので、俺は再び瞼を開く。
痛みは薄れたが、視界はまだぼやけたままだ。
徐々に、焦点が合う様に視界の靄が消えて行く。そこは俺の部屋であった。
キョロキョロと視線を動かすと、見知った人間の姿がある。中には涙を湛えている人もいる。
そして、見た事のない瑠璃色の瞳が特徴的な女性が俺の傍に控えていた。
おそらくは、この人が俺を介抱してくれた人だろう。
そんな風に、朧気に世界を観察している時の事だった。
「…起きるのが遅いわよ、このバカ時夜ッ!!」
目覚めてから数瞬の事。
涙を浮かべる芽衣夏ちゃんに、俺は目覚め頭の罵倒を受けたのだった。
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