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艦隊これくしょん  History Of The Fleet Girl's Wars

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 二航戦は金剛型とよく任務を共にすることもあって、かなり親しくしている。一航戦は歴戦と言うこともあって、風格が漂うが、二航戦はフランクでその実力を感じさせないこともあり、比叡は彼女たちのことを好んでいた。
 「霧島は?」
 「駆逐艦の子たちと一緒に訓練みたい」
 「おー、さすがだね〜霧島の姐さんは」
 霧島はかつての戦争で戦艦となぐり合った経験や、男気(?)溢れる性格を買われて摩耶や木曽らに姉御と呼ばれている。飛龍たちも時々そのことをネタにしていたりする。妹の勇猛ぶりを称えればよいのか、それともインテリで行こうとしている妹の不遇に同情すればいいのか微妙なところだ。
 「まあいいや。ほらほらさっさと取ってて」
 「はいはい〜」
 鎮守府にいる艦娘の数は全体で50名ほどである。日本全国に配されている艦娘は全体で200に届かないくらいであり、各地に散らばっている。ゆえに、朝食時の食堂はかなりの混雑を呈する。もたもたしていると行列になって、朝の予定が危機的な状況になるので飛龍もさすがに普段のヤンチャガールっぷりは置いておいて常識人らしい発言をし出した。
「oh、今日は和食ネ」
飛龍から朝食を受け取る。鎮守府の食事の多くは純和風の定食であるが、洋食も三日位に一度の割合で出る。どちらも絶品と言うよりは心が温かくなるような味だ。母親の料理と言うのはこんなものなのだろうか。知識では家族と言うものを知っていても、自分には姉妹しかいない。
女所帯の鎮守府で提督は何と言ったらいいのだろう。兵器である自分たちを扱う軍人、ではない何かである。着任したての頃はそう思っていたが、今では何とも言えない、言ったらそれでおしまいだともどこかで思っている存在である。
金剛は洋食を好むが、和食も好きでそれほど苦ではないようだ。着任したての頃は納豆を珍妙な目つきで見ていたのだが、今では何回かき混ぜた後にだし醤油を入れればいいかまで研究している熱の入れようである。
食堂の座席は四角いテーブルに一人掛けの椅子が2つずつ配されている。今は霧島がいないので姉妹で座って一席余った。席に向かう途中は鎮守府の艦娘が比叡にお帰りと声をかけてきた。みんな自分のスーツ姿を見たかったと残念がっていた。
お盆の上には白飯と味噌汁、アジの開きに納豆だ。金剛は上機嫌に納豆をかき混ぜている。榛名は金剛の上機嫌を見て微笑んでいる。
「Hey、比叡?何回かき混ぜましたか?」
「え?ああ、何回でしたっけ?」
ふと、金剛の言葉で我に返った。納豆はかなり混ざって硬くなってきていた。
「比叡姉さま、おつかれですか?」
「いや、大丈夫よ、榛名。ありがとう」
 やはり姉妹での食事は落ち着く。東京では、一人の食事だった。周りは自分を恭しく扱うこともあり、気持ち悪い気遣いも多かったのだ。
 「榛名はいい子だ
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