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艦隊これくしょん  History Of The Fleet Girl's Wars

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well~、別にそんなに変わったことは無かったネ」
 自分が留守の内はおそらく秘書官は金剛や榛名、正規空母組がやってくれたのだろうから、お土産をしっかり配らねば、とそれこそ旅行帰りのOLみたいなこと考えていると金剛が思い出したように。
 「テートクはさみしそうでしたよ?」
 「ひえっ?」
 最近金剛は自分に提督の話をよくする。自分は金剛が楽しそうに話をしているのを聞いて、金剛が幸せそうだから自分が幸せなのか、それとも提督の話を聞けて幸せなのかよく分からなくなる。きっと前者だと、思うことにしている。ただ、数日聞いていなかったテートクと言う響きは自分にとって大きな鐘のように響き続けた。
 「そうだったんですか〜。お姉さま。おなか減ったので食堂に行きましょう!」
 意図的な話のそらし方である。しかし、榛名はさりげなく察して、
 「そうですね。姉さまはすぐに着替えてください。洗濯しておいたものが押し入れに入れてあります」
 と言ってくれた。金剛も、話を切り上げて
 「oh、そうね。今日は月曜日だし、腹ごなししてお仕事ネ。比叡!久しぶりのMrs鳳翔の料理、おいしくいただきましょう」
 「ええ!」
 すっかり軽空母の鳳翔は戦艦の間でもおふくろの立ち位置である。鳳翔は最初期の艦娘として活躍していたが今は退役を申し出て、艦隊の酒保として鎮守府の胃を支えている。
 「でも東京の食事は美味しかったんじゃないの?比叡?」
 「いや、やっぱり鳳翔さんの料理にはかないませんよ」
 「じゃあ、早速行くネ!比叡、着替えてらっしゃい」


 鎮守府と言うのは不思議なところで、軍事施設でありながら学校のような機能も備えている。当然、食堂もある。場所は鎮守府中央にある中央棟で、二階に提督執務室と提督の私室もあり、最も提督の嗜好がでる棟である。たまに提督が室内でスイカ割りなんてしようとするものだから、秘書官は駆逐艦をなだめ、提督を気絶させて外でやらせたりする。
食堂は鳳翔と間宮が二人で切り盛りしているのだが、間宮は本業の甘味処営業の準備などでそれほど多くは手伝えない。そのため、比較的“暇”な戦艦たちや空母が手伝いを担当することとなっている。比叡はさすがに帰ってきたばかりであるので、今日は二航戦の二人が手伝いとして食堂の給仕を担当していた。
 「あれ、比叡じゃん!おかえりっ」
 食堂に入ってきた金剛と榛名、比叡を見た飛龍が笑みをこぼしながら言った。お気に入りのオレンジのジャージ姿である。艦娘は基本的に服装の規定が戦闘時以外はないので、当番をこなす時などは動きやすい恰好をしている。
 「ただいま、飛龍」
 「なんだ、うわさの比叡のスーツ姿観たかったのに残念だな」
 「うわっ、すっごい笑顔で言うわね」
 「新卒社員でしょって」
 「ぬ。言い返せない」

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