第五話
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い樹の上より、お父さんの様子を窺っていた。
好機を、じっと待っているのだ。“運良く”此方の存在はバレてはいない。
否、バレる事はないと言える筈だ。
今の俺は作り出した喜の感情武装である長刀の能力を使用している為だ。
《心剣創造・喜-ソウルブラックスミス・トランスペアレンシー-》
その能力は刀身・担い手自身を不可視化する事が出来、マナの痕跡までもを断つ事が出来る。
眼下では、シューターによる波状攻撃は勢いを増し、お父さんも自身の神剣を駆使し、迎撃に当たっている。
……そろそろ頃合か。
俺は音もなく、マナで身体強化された脚力で高く宙に上がり、対象を見下ろす形になる。
「…リア、捕縛開始だ」
その言葉にリアが頷き、スフィアの動きに変化が訪れ始める。
「―――むっ!?」
ただ迎撃されていたシューターはマナの鎖に変わる。
対象を縛りつけて、身動きを取れない様にする。
不意を突かれたのか回避しようとしたお父さんの動きが鈍り、見事に束縛する。
「―――はぁッ!!」
不可視化を解くと同時に、右手の心剣を送還して右手に時切を携える。
そうして左手にオーラフォトンで生成した刀剣で、上空より降下して斬りかかる。
奇襲性と高威力の単発技である『リープアタック』だ。
「―――ふっ!」
上空からの奇襲を感知したお父さんは、力技で鎖を引き千切り、右手の神剣絶刀で迎え撃つ。
触れ合った瞬間大気が振動して、お父さんの足元が陥没し中規模のクレーターを作り出す。
一時的に力が拮抗するが、鍔迫り合いから強引に引き離される。
オーラフォトンで生成した刀剣が刃毀れを起こし欠損するが、それを構っている暇はない。
俺はそれを逃すまいと接近するが、神速の斬撃が襲い掛かる。
それを速度殺さずに強化された身体能力でかわすが、薄皮一枚と言った位に斬られる。
本命の斬撃を左手の刃で逸らすと、限界であったのかマナの粒子となって散ってゆく。
だが、それでいい。充分に接近する事が出来た。それと同時に、右手で突きの体勢を作る。
「うぉおおおおおッ!!」
まるでジェット噴射で加速された様にマナで体・刀剣を速度強化して突っ込む。
速度の初速に世界が歪み、肩が外れるかの様な衝撃が走る。俺は、一筋の閃光と化す。
それは血色のライトエフェクトを発しながら徐々に引き寄せられるかの相手に迫る。
片手剣突進技『ヴォーバルストライク』。某ラノベの技を再現したものだ。
「―――貰ったッ!!」
そう確信と共に刺突は相手へと到達する。
ただ不安要素なのはこの状況に対して、不敵にも笑っている対象。
それが、不安要素以外に他ならない。
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