第五話
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世間一般では俺の様な存在の持つモノをそういうらしい。
まぁ、普段はリミッターが掛っている為に安易に使用する事が出来ないが。
疾走しつつ、俺は横目で背後を確認すると、持続的に槍は降り注ぎ、着弾と同時に炸裂する。
「…えげつないね」
思わず比喩ではなく、背中を冷や汗が伝う。
お父さんはこと戦闘になれば、どこまでも冷徹になれる。相対者が実の息子だとしてもだ。
抵抗するならば、その圧倒的なまでの力で制圧しに掛る。
いくら、俺が最上位の永遠神剣を保持していても、元の経験の差が、修羅場を潜ってきた回数が違い過ぎる。
相手は、歴戦の勇士とも言える存在なのだ。
今回は、広域殲滅で墜されていないだけ、まだマシであろう。
俺も、広範囲殲滅で決着を付ける気はない。
一帯を焦土と化しても、それで確実に勝てるとは言えない。
それに折角の障害物である森林を無くしてしまえば、正面から相対する事になる。
(……悔しいが、正攻法では勝てない)
正面からの斬り合いでは、まず勝てない。技量の差というものが出てしまう。
卑怯とも言われようが、不意打ち等でなければ勝機はない。
何度も言うが、最初から勝てないとは解っている。
『…時夜、笑っているの?』
時切にそう言われて、自身でも無意識の内に笑っている事に気が付いた。
楽しいと、そう感じる。殺し合いは嫌いだ。けれど。
こう言った、模擬戦等は俺は嫌いではないのだ。自身の業が何処まで通用するのか、心が躍る。
「…さて、そろそろ反撃に移ろうか」
思考を戦闘状態へと引き戻す、それと同時。
マナで生成された槍による爆撃も終わった。俺は立ち止り、そう二人に呼び掛ける。
『はい、主様』
『オーケーよ時夜、いつでも行けるわ』
「うむ、じゃあリア標的の位置は解析出来てるか?」
『はい、主様が逃げ回って時間を稼いでいた間に特定は完了しています。』
「よし、標的の周囲を囲む様に環状にマナで生成したスフィアを展開しろ。制御の方はお前に任せるよ」
『御心のままに』
一息吐き、瞳を閉ざして精神を集中させる。
そうしてリアの声も、世界の音も徐々に遮断されてゆく。閉じた世界へと意識が舞い降りる。
右手を虚空に向けて、意識を集中し、心を具象化させるイメージ持つ。
俺の持つ神器を発現させる現在での一連の必要動作だ。
右手に淡い光が集まり出し、そして一本の刀剣を作り出す。
閉じた瞳を開く。刀の想像までのこの間、僅か数瞬。
そこに存在する陽の光を纏う長刀の重みをしかと感じ、目視する。
「さて、リア。スフィアによる波状攻撃を開始しろ。ある程度、時間を稼いだらバインドで捕捉
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