第三話
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何が起こっているのか、理解出来ないかの用に、呆けた顔をしている。
「……凍夜、もしかしてこの子が以前話に出ていたお前の所の子供か?」
「おう、本人からも自己紹介があったと思うが、俺達の子で時夜って言うんだ」
「あぁ、確かに二人の面影があるな。…しっかし、出来た息子だな。凍夜とは大違いだ」
「…どういう意味だ、俊博?」
「…そのままの意味さ。おじさんの名前は綾月俊博だ。よろしくな時夜くん」
「はい、よろしくお願いします綾月さん。」
俺は再び、親交の意を込めて頭を下げる。
そんな俺に対して、綾月さんはその行動を直に制する。何でも、そこまでされるとむず痒くなるとか。
「時夜、俊博さんはこの近所では有名な“綾月洋菓子店”という、このお菓子屋さんを経営しているんですよ?」
「凄いんですね……んっ?」
母の告げた知識に純粋に頷く。
前世においても、俺は料理系統のスキルは壊滅的だった。
故に、こうした一つの芸術品の様なお菓子を作るパティシエには感嘆の意を覚える。
綾月さんの後ろから、ひょい…っと顔を出した少女と不意に目が合った。
その少女は目線が合うと、綾月さんの後ろに隠れてしまった。
だが、その髪型故かツインテールの片方が隠れていない。
頭隠してツインテ隠さずとは、正にこの事か。
「…綾月さん、その後ろの子は?」
「んっ?ああ、おじさんの娘だよ。芽衣夏」
後ろにいる事に気付いていなかったのか、振り返る。
そうしてその子を、芽衣夏と呼ばれた少女を前面に押し出す。
「…ちょっと、このバカ親父っ!」
「ほら、芽衣夏お前も挨拶位しなさい」
「…綾月芽衣夏」
そう不機嫌そうに告げると、少女は店の中へと隠れてしまった。
もしかして、嫌われちゃったのかな?
「…あぁ、アレは少しシャイな所があってね。見た所、同じ幼稚園なんだ。まぁ、仲良くしてやってくれないか時夜くん?」
俺の心を見透かした様にそう綾月さんが告げる。
「はい、解りました」
仲良く出来るのであれば、そうしたい所だ。
これが俺と彼女、倉橋時夜と綾月芽衣夏の何とも言えないファーストコンタクトだった。
3
綾月洋菓子店でケーキを受け取り、俺達は外界の自宅へと帰宅した。
お父さんの用事とは、俺の顔見せと、俺の幼稚園の入園祝いのケーキを受け取る事であった。
「…しっかし、立派な家だね」
俺は家の外門の前に立ち、その外観を見据える。
今では珍しい武家屋敷の様な厳格な門に、その中に広がる広い日本庭園、そして自宅である日本屋敷。
とてもじゃないが、
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