陽だまりの日々
第二話
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の容貌が中性的で少女の様に見えるからという理由。
その理由で、似合うだろうと女物の洋服を着せようするのだ。
そして屈辱的な事に、その姿を写真に収めてアルバムまで形成しているのだ。
……俺にとっては軽い黒歴史だ。それもあるが、我ながらに主観で見て、美少女に見えるのが心に刺さる。
「朝も、ヴィクトリアに着替えさせて貰ったのでしょう?」
「えっ…まぁ、そうだけど?」
俺は基本的に朝に弱い。
その為、リアのお世話になる事が多々ある。
……結局の所だ。
俺はお母さんに抗えず、押し切られて着替えさせられた。
1
転生してから約五年。
今日、俺は初めて出雲の外の世界へと足を踏み込んだ。
見慣れないものを見る様に、俺は前世で見慣れた現代日本の街並みを眺めていた。
「…んっ、どうした時夜?」
「出雲の外に出るのが初めてだから、緊張しているのだと思いますよ?ですよね、時夜?」
「……うん」
俺はお父さんとお母さんに挟まれる様にして、手を繋いでいた。
その両親と両手で繋いだ手を、握り締める。不安を拭い去る様にぎゅっと。
今の俺達の姿を客観的に見るならば、仲睦まじい親子に見えるだろう。
だが、しかしだ。
お父さんは一見普通の黒のスーツだが、その実態は防弾防刃用のTNK繊維が織り交ぜられたものだ。
俺には銃器の知識はないが、スーツの内側に見えない様に拳銃を帯銃している。
お母さんもいつもの緋袴の巫女装束姿ではなく、婦人用の白のスーツにスカートを着こなしている。
日頃纏めている髪もストレートに下ろして、またいつもの姿とは違って見える。
お父さんはともかく、お母さんが巫女装束姿でないのは珍しい事だろう。
俺は生まれてこの方、お母さんの袴姿以外の姿を見た事がない。
それがとても新鮮で、いつもとは違った魅力が垣間見える。
「…………」
俺は視線に映る世界総てが、まるで異世界の様に思えてくる。
嘗ては前世で暮らしていた、何の変哲の無い俺の日常と同じ光景。
前世に置いて、そこに不和を覚えた事はなかった。
だが、出雲の自然溢れる地で育った為なのか。
懐かしいながらも、何処か違和感を覚える、ズレているとさえ思える。
この目の前に広がる世界を一言で表すならな、猥雑だろうか。
連峰の様に列を成す人々の群れ、人や車等による騒音たる喧騒。
今世において、ここまでの人や、雑音を耳にするのは初めての事だ。
思わず、視界に映る景色がぐにゃり…と歪む。
急に気分が優れなくなり、吐き気と眩暈が生じる。
ぐらり…と視界が暗転して、両親と繋いだ手から手が離れて、その場に片膝を
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