陽だまりの日々
第一話
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それに怯まずに突撃し、上段から下段へと向けての切り払いを行う。
対して少女は、中段からの人間の速度を大きく上回った横への居合い抜き。
激しい金属音を発して、火花が大きく散る。
力も一時は拮抗するが、それは一時の刹那。
肉体をマナによって強化はしているが、元の身体スペックが違いすぎる。
弾き飛ばされる前に、俺は諧調へと命を下す。
『―――解放します』
俺の意思を汲み取った諧調が、そう宣誓する。
赤い閃光を上げて、鞘より先程霧散した赤の神剣魔法が同等のマナを持って、復元する様に、放たれる。
至近距離より放たれたそれは、拮抗している状態からでは回避出来ない。
意表を突かれた様に、一瞬硬直する。そして火炎が直撃する。
火が相対者へと燃え移り、瞬時に火達磨へと化す。
悶え苦しむ少女の声が、怨嗟の様に耳へと届く。
…これだけでは、まだ決定打にはなり得ない。
その活動を停止させるまで、少女はただ下された命令を命を賭してでも果たす事だろう。
故に、時夜は無情にもその刃を振り下ろした。
「……マナをオーラに」
時切の刀身を、マナが変換された淡い光のオーラが包み込む。
そして、その一刀の元に相手の身体を、上半身と下半身を輪切りにして切飛ばす。
相手の身体から、血の類は一切出ない。
だが、斬られた傷口からは代わりと言えばいいのか、淡い光が零れ出す。
「―――次だッ!」
感慨に浸る時間はない。
自分に言い聞かせる様に、そう言葉強く発する。
相手がマナの塵と成り果てる姿も確認せずに、俺は次の相対者へと視線を向ける。
そうして、総てを追い付かせない速度で駆け抜ける。
この存在達が、命を持たない擬似生命体とは言え、その命を奪う事には慣れない。
……否。いいや、慣れてはいけないのだろう。
慣れてしまえば、それは人として何かが欠落した別の存在へと変わる。
そうすれば、それはもう、人間とは呼べない事だろう。
……俺はその命を忘れる事なく、背負っていかなければならない。
「…最、後ッ!!」
小太刀の刺突により、相手の心臓を一突きで串刺しにする。
苦悶の声を上げて、存在を構築するマナが空へと還り、マナの塵となって消滅する。
「………っ」
俺は背負っていかなければならない、その命を、その罪を。
2
空を見上げれば、何処までも高く続く蒼穹の天上。
地上を見回せば、優しく包み込む新緑の木々達の姿が見える。
春真っ盛りと言える、柔らかな世界。
それらとは対象的に、重たい気持ちで俺はそんな世界を歩いていた。
足を止めれば、自分が背負った命に、罪に
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