2部分:第二章
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第二章
「オレルアン大尉」
「はい」
このテストの最高責任者である将軍からだった。
「どうだ、乗り心地は」
「いいですね」
まずはこう答えるジャックだった。
「結構快適ですよ」
「そうか」
「そうしたことにも気を使って開発したんですか」
ジャックはそう考えたのだった。実際にその乗り心地はこれまで彼が乗ってきた欧州連合の機体のどれよりもいいものだった。
「いいことだと思います」
「そうか、わかった」
通信の将軍派彼の言葉を聞いて頷いた。
「そうなのか」
「はい、かなりいいですよ」
「それではだ」
将軍はさらに彼に言ってきたのだった。
「操縦性はどうだ」
「これも凄いですよ」
これも文句なしに褒める彼だった。
「動かしたらそれがそのまま出ますから」
「それもか」
「ええ、それに運動性能も」
このことは自分から言う彼だった。
「凄いですね。最新鋭機といってもこれは」
動かしてみる。ジグザグに動いたり何度も宙返りをしたり。それも彼がこれまで乗ったどの機体よりも優れているものだった。
「凄過ぎますよ。ただ速度は」
「どうだ?」
「マッハ3は出ますけれど」
これについては言葉が付け加えられた。
「加速が遅いですね。ただ高度でも性能が維持できるのかどうか見てみます」
「うん、あがってくれ」
「はい」
こう応えてだった。実際に上昇してみる。すると二万メートルでも性能は維持できる。これにはジャックも流石に驚いてしまった。
「低空でも高空でも性能が変わりませんね」
「同じか」
「いや、こいつは凄い」
純粋に驚きを隠せなかった。
「こんな技術うちにあったんですね。凄いですよ」
「そうか、わかった」
将軍は彼の言葉を聞いて頷いた。そうしてだった。
「それではだ」
「次は何ですか?」
「テストファイトをしてもらいたい」
こう言ってきたのである。
「それをだ。いいか」
「本番ってわけですね」
それを聞いたジャックの顔が自然に引き締まる。
「これが」
「いいな」
「望むところですよ」
不敵に笑って将軍に言葉を返す。とはいってもその表情は向こうにはわからない。モニターは今はコクピットになかったからである。
「じゃあ撃墜しますよ」
「期待している」
こういったやり取りの後で攻撃に移る。上方に宙返りをしてそのうえでその数機の敵機に向かう。相手は欧州側の現在の主力戦闘機である。
「俺が今迄乗っていた機体を狙うのは複雑な気分だな」
ジャックはその戦闘機を見て内心苦笑いになった。
「だがこれが仕事だからな」
そう言ってであった。早速撃墜に入る。そうして敵のポジションを狙う。
旋回し敵を惑わせようとする。相手は左に動いてきた。
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