三十五話:歪んだ歯車が動かす者
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ル様の言葉に騒めきかえる会議室。今までさんざん不祥事を起こしていた堕天使サイドの方から言ってくるなんて誰も予想していなかったからな。まあ、ある程度の予想では和平になるだろうとは思っていたけど……それは天界や冥界側が堕天使側を説得してなるものだと思われていたからな。こういう展開は正直言って意外だ。
「……まさか貴方からそのような言葉を聞けるとは思っていませんでした。……私はてっきり、堕天使は再び戦争を起こすものだと」
「その通りだ。神器やその所有者……特に白龍皇を手中に収めたと聞いた時は流石に肝を冷やした……また戦争を行うものだと思ったよ」
「たく、やっぱ信用がねえな」
ミカエル様とサーゼクス様から戦争を起こすものだと思っていたと言われて、若干、苦笑いを浮かべながら頬をかくアザゼル様。正し、疑われていたことは特に気にしていないらしく、すぐに顔を真顔に戻しお前達はどうなんだと言った感じにミカエル様とサーゼクス様それにレヴィアタン様に目線を向ける。
その視線に対してほんの少し裏があるではないかと疑うようにアザゼル様を見ていた三人だったけど、すぐに特に裏が無いと判断したのか視線を切り、まずはサーゼクス様から口を開き始めた。
「……私も、悪魔も和平に賛成だ」
「私も反対は無いよ」
「私達、天界も和平に賛成します」
サーゼクス様達のその言葉に部長や会長は安堵の息を吐き出し、イッセー達眷属はホッとしたような笑みを浮かべる。俺もホッとしているけど……なんだろうか。さっきから胸の“鼓動”がどんどん大きくなっていっている気がする。妙な胸騒ぎがする……このままじゃ終わらない、そんな気がするんだ。
「一先ず三勢力の和平は合意されたね。……それはそうとアザゼル。
戦争をしないのならなぜ神器を集めていた?」
「俺の趣味もあるんだが……ある組織に対抗するためってのが一番の理由だ」
「アザゼル、君が危惧するほどの組織……一体それはどんな組織なんだい?」
「勿論教えるぜ。ただ……その前に聞いておきたいことがある。リドウって奴のことも聞いておきたいんだがよ、まず……お前は何者だよ―――ルドガー・ウィル・クルスニク」
サーゼクス様のなぜ神器を集めているのかという質問にある組織に対抗するためだと答え、その組織のことを聞かれたアザゼル様だったけどその話を中断し、射抜くような目で俺が何者かと尋ねて来る。
その視線に対して俺は何も答えずに黙ったまま視線を返す。そんな俺達の様子にこの場に居る全員の視線が集中するがなおも俺は口を開かない。そんな俺に対してアザゼル様はまるで自分の頭の中で理論を立てていくかのように俺の情報を上げて
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