第71話 体調が悪い時って大概機嫌が悪い
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ジャンプを投げ捨てる。その際、ジャンプの拍子には「赤マルジャンプ」と書かれていた。どうやらジャンプはジャンプでも別系統のジャンプを買って来てしまったようだ。それに癇癪を起した銀時の為にとお妙は買いに行ったのだろう。
我ながら下手な言い訳だったと内心あざ笑うべきだろうか。とにもかくにも、今のこの状況であれば安易に外へと出られる筈だ。
紅桜、岡田似蔵、謎の剣士、白銀の剣、行方不明の桂、変貌する剣、今回の依頼は恐らく一筋縄ではいかない代物であろう。となれば、何時までもこうして寝てる訳にはいかない。恐らく、今回の仕事は自分が加わらなければ終わらない代物だ。となればさっさと起きて行くべきだろう。
「その前に小便にでも行くか」
僅かに感じた催し感に気づき、銀時はそっと布団から出る。時期的にはまだ残暑の厳しい時期の筈だが、妙な肌寒さを感じた。雨のせいだろうかどうかは分からないが、とにかく今は用を足すのが先決であった。
「動いては駄目だと言った筈ですよ?」
「!!!」
ふと、自分を呼び止める声に気づいた。まさか、お妙が帰ってきたのでは? いや、それは有り得ない。今週のジャンプが出たのは既に5日も前の話。今ではあちこちのコンビニでそれを置いてる筈がなく、ジャンプを手に入れるには遠くにあるコンビニに行かねばならず、其処まではどんなに急いだところで最低でも1時間は掛かる。
うたた寝していたとは言え恐らくだがお妙が此処を出て行ったのはおよそ10分か20分近く前の筈。幾らなんでも早過ぎる。
となれば、後ろに居るのは誰なのか?疑問に思いながら振り返ると、其処には見覚えのあるのと同時に今は見たくないツラがあった。と言うか、今は見たくないヅラが其処に居た。
「何やってんだ? ヅラ」
「ヅラじゃありません。ヅラ子で御座いま―――」
ヅラこと桂が言い終わるよりも前に彼の顔面に銀時の鉄拳が叩き込まれたのは今に始まった事じゃなかったりする。
***
起き抜けに心底いらつかせてくれる輩に出会ってしまったが故に銀時の不機嫌さは側から見ても明らかな位であった。それもそうだろう。何せ、勝手に行方を眩ませてこちらに多大な迷惑を被った張本人でもあろう桂小太郎本人が唐突に銀時の目の前に姿を現していたのだから。
しかも下手な変装をして―――
「朝からそうカリカリしてどうしたと言うんだ銀時?」
「このカリカリの原因の100%が全部てめぇのせいなんだよ」
「まぁ落ち着け。此処は茶でも啜りながらのんびり語ろうではないか」
「それ家の茶だけどな。後で茶代出してけよな」
愚痴愚痴と文句を言いながら桂から差し出された茶を啜る。一息ついた所で銀時は向かい側に座る桂に目線を向けた。
「で、何
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