出発
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俺がこのギルドに入って半年くらいたった。すっかり馴染んで、今ではみんな家族のように接してくれる。特にウェンディはなぜか俺に懐いており、危険な仕事の時以外は四六時中べったりだ。みんなからは兄弟みたいだと言われる。
「フーガ、ちょっといいか?」
「どうしたマスター?」
「なぶら。この時期はニールディアーのツノ落ちの季節じゃ。森の中にツノが落ちてると思う。4本ほど拾ってきてくれんか?」
ニールディアーってあれか、この辺に住んでる鹿っぽいモンスターか。なんでもツノには強い解毒作用があり、ツノの粉末に薬草を加えた薬は万能の薬になるんだとか。
「了解した。4本だな?」
「もっと持ってきても良いぞ。あれはいくらあっても困らんからのう。」
「はいよ。じゃ、ちょっくら行ってくるわ。」
すると向こうからトテトテと走ってくる影が一つ。もしかしなくてもウェンディだな。
「フーガ!どこいくの?」
「ん、ちょっと森まで鹿のツノ取りにな。」
「私もいっていい?」
「マスター、いいか?」
「かまわんよ。気をつけて行って来なさい。」
「はい!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おお、結構落ちてるもんだなぁ。」
以外とそこら辺に落っこっているので、わんさか取れる。ツノ拾いが楽しくなったのか、ウェンディは別のところで夢中になって拾っている。
「立派なツノばっかだな、こりゃいい薬ができそうだ……ん?」
不意に何かの匂いがした。
強い、血の匂いだ。
「……っ!」
すぐに警戒態勢を取る。すると向こうからウェンディの叫び声が聞こえた。
「ウェンディ!!」
まずいな、無事でいてくれよ…
〜ウェンディside〜
フーガと少し離れたところで、私はツノを拾っていた。
「ふふったくさん持ってったらフーガびっくりするかなぁ♪」
すると、不意に背後の茂みで音がなった。フーガかな、と思い後ろを向くと
「グルルルルルルルル………」
「ひっ!」
そこには血塗れの狼が!
「きゃああああぁぁぁあ!!」
怖い、怖いよ…フーガどこぉ?助けてよぉ………
〜ウェンディside out〜
声の聞こえた方向を頼りに行くと、そこには手負いの大きな狼に睨まれ怯えているウェンディがいた。
「このぉっ!!」
地面を強く蹴り、ウェン
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