出発
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俺も孤児院にいた時、たしかに一人ではなかったが孤独感は常にあった。だからあえて、俺はこう言った。
「俺がいるさ。」
「フー…ガ?」
「そうだ。俺がお前を守る。何があっても俺たちは一緒だ。」
ウェンディの嗚咽が止まる。
「俺が、お前のお兄ちゃんだよ。」
絶対に守ってやる。孤独感なんて吹き飛ばしてやる。そう決意をして、言葉を発した。
「フーガがお兄ちゃんかぁ…」
「俺じゃ、不満か?」
「ううん。すごい嬉しい…フーガ……すぅ…」
「寝ちゃったか?」
〜ウェンディside〜
フーガが私のお兄ちゃんになってくれるっていって、とても嬉しかった。なんだろう、胸がドキドキして奥があったかくなる…こんな気持ち、初めてかも……
安心して、急に眠くなっちゃった…今日から私、フーガの妹だよね?じゃあ少し甘えてもいい…よね……
〜ウェンディside out〜
結局、村に着くまでウェンディは眠っていた。
「おーい!誰かウェンディ診てやってください!」
「どうしたのじゃ?」
「マスター、ウェンディが野生の獣に引っ掻かれた。幸い傷は浅いが菌が入ると危ない。ちょっくら診てやってくれ。」
「おお、よしよし。どれどれ……」
「じゃあツノはここに置いておく。俺は家に戻るよ。ウェンディを頼んだ。」
「分かった。任されよう。」
とはいえ、疲れたなぁ……
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さらに一年が経った。今では俺とウェンディは同じ家に暮らしている。小さいが庭もあるいい家だ。あ、部屋は別々だぞ?さすがに。でもまあたまに、ウェンディが夜俺のベッドに潜り込んでくることはあるが。
そんなある日、ウェンディが卵を持って帰ってきた。森を散歩をしてたら見つけたんだとか。
「でっけえなぁ……つうかモンスターかなんかの卵じゃねえ?どうする?孵った瞬間食われたら。」
「大丈夫だよ!………そんな気がする……多分。」
最後の方はかなり小さい声だった。危なっかしいな、オイ。
つーか…
「卵、なんかピクピク動いてんぞ。そろそろ孵るんじゃねえ?」
「え?本当だ!がんばれ!がんばれ!」
卵にエールを送るウェンディ。うん、なんかシュール。
ピキピキピキ………パカッ!!
小気味いい音を立て孵化した卵から産まれたのは…
「フーガ!猫だよ!」
「よく見ろウェン
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