シュミットさんちのおおみそか
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めしそうな目を向ける。
「なんだよ?」
「・・・しないの?」
ぼそっと小さな声で発せられた自らの問いに対するなのはの答えを聞き、
ゲオルグは小さく意地の悪そうな笑みを浮かべる。
「何をだよ?」
「・・・えっち」
「はぁ?」
なのはの声が小さくてよく聞き取れなかったゲオルグが訊き返すと
なのははほんのりと赤く染まった顔をゲオルグに向けて甘えた声を出した。
「今年最後のえっち、しよ?」
その直後、ゲオルグは急になのはに抱きつくと彼女の耳に口を寄せる。
「あーもう! なんでお前はそんなにかわいいんだよ!!」
「ふふっ・・・。そんなにかわいいかな、わたし?」
「世界で一番かわいいよ、なのはは」
「そっか・・・ありがと」
囁き声で自分を褒めそやすゲオルグの言葉に、なのははうれしさ半分
恥ずかしさ半分といった照れ笑いの表情を浮かべる。
「じゃあ、しますか? 今年最後のセックス」
「うん、しよ。 今年最後のえっち」
「なら、これから押し倒しますがよろしいですか、奥さん?」
「いいですよ、ご主人」
最後には半分笑いをこらえながらそんな冗談を交わした2人は
しばし互いの額をくっつけて笑い合った。
そして、おもむろにゲオルグがなのはに覆いかぶさり、
2人の影はひとつに重なっていった・・・。
1時間後・・・。
なのはとゲオルグは2人とも一糸まとわぬ姿でベッドの上で布団にくるまっていた。
しばらく荒い息をついていた2人であったが、呼吸が落ちついてきたところで
ゲオルグがなのはに声をかけた。
「なあ。 なのはにとって今年一年はどうだった?」
「うーん、そうだね・・・。 幸せな一年だったんじゃないかな?
ゲオルグくんと結婚して、ヴィヴィオが学校に入って、ティグアンが生まれて。
もちろん大変なこともあったけど、すごく幸せな一年だったよ」
「だな。 俺もそう思うよ。 来年もいい年にしたいな、今年みたいにさ」
「そうだね。 家族みんなで力を合わせて・・・ね」
「もちろん」
それからしばらくして、寝室には2人の若夫婦がたてる寝息が響き始めた。
こうして、シュミット一家が初めて迎える年の瀬は、
ゆったりと過ぎていったとさ・・・。
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