シュミットさんちのおおみそか
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メ?」
なのはは胸の前で両手を組み合わせて上目づかいにゲオルグを見ると
甘えた口調で尋ねた。
「別にかまわないけど何か準備してたんじゃないのか?」
「それは、まあ。 年越しそばをするつもりで準備はしてるんだけどね」
「それってアレだろ? 去年の年末になのはの実家で食べさせてもらったヤツ。
でも作り方なんか判んないぞ、オレ」
「だよねぇ〜。じゃあ、いっしょに作ろうよ」
「はは、そう来たか。 まあ、いいよ」
なのはの提案に対してゲオルグは苦笑しつつも頷き、こたつを出て立ち上がる。
「だったら、ヴィヴィオもいっしょにやる!」
ゲオルグに続いてなのはも立ち上がりかけたとき、ヴィヴィオが勢いよく
立ちあがって自分も料理に参加する声をあげた。
だが、なのははしゃがみこんでヴィヴィオと目線を合わせると
その頭の上にポンと自らの手を乗せた。
「ヴィヴィオには他のことをお願いしたいんだけど、ダメかな?」
「ほかのことって?」
なのはの言葉に首をかくんと傾げるヴィヴィオ。
そんな彼女の頭をゆっくりと撫でながら、なのはは優しく微笑む。
「あのね、ママとパパが2人ともキッチンに入ってる間
ティグアンのことをみててあげて欲しいの。
で、何かあったらママに教えてね。 できそう?」
なのはの問いかけにヴィヴィオは数度目を瞬かせると、
ニコッと笑って首を縦に振った。
「うんっ! だって、お姉ちゃんだもん」
「そうだね。 じゃあ、よろしくね」
なのははそう言ってもう一度ヴィヴィオの頭をゆっくりとなでると
立ちあがってゲオルグとともにキッチンへと向かった。
キッチンに入ると何をしてよいものか途方に暮れて立ちつくすゲオルグを尻目に
なのははてきぱきと調理の準備作業を進めていく。
両手鍋に水を入れ、揚げ物鍋を油で満たし、その両方をコンロに乗せると
次に冷蔵庫を開けて生蕎麦を取り出して調理台の上に置いた。
そしてゲオルグの方に向き直る。
「ゲオルグくんはお蕎麦を茹でて欲しいの。 こっちのお鍋でお湯を沸かして、
沸騰したらそばを入れる。 ゆで時間は10分。
茹であがったらざるにあげて水洗い。作業内容はこれだけ。 質問は?」
「沸騰したらそばを入れて10分茹でる。 茹であがったら水洗い、だな?
何か分からないことができたらその都度聞くよ」
淀みなく続いたなのはの言葉をじっと聞いていたゲオルグは、
なのはが語った工程を復唱する。
なのははそれに対して頷くと自分が担当する天ぷらの準備に取り掛かった。
30分後。
こたつのそばに敷かれた小さな布団の上に寝転んでいる幼い弟の柔らかい頬を
指でつついては、その反
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