シュミットさんちのおおみそか
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ゲオルグが階段を上がって追いついてきた。
「どうだ?」
「うん、今のところは・・・いいね」
周りの様子を見ながら独りごとのような口調でゲオルグに答えると
なのはは廊下を夫妻の寝室がある奥に向かってゆっくりと歩いていく。
ここでシュミット邸について少し紹介しておこう。
シュミット邸はクラナガン西部郊外の閑静な住宅街にある。
外観は白を基調にしており、2階建てだが屋根裏に納戸がある。
1階は玄関を入ると一番奥にある風呂場まで真っ直ぐに廊下が伸びており、
その右側には玄関側から応接間、2階への階段、トイレの順に並んでいる。
そして廊下の左側にはリビング・ダイニング・キッチンへとつながる扉が
1枚あるのみである。
そのリビングは南側に大きく窓が開けており、ガラス戸の向こうには先述のとおり
ウッドデッキが張り出している。
ひと続きのリビングとダイニングを合わせれば、20人でパーティが開けるほどの
広さがあり、シュミット夫妻は生まれたばかりの長男ティグアンにもう少し
手がかからなくなったら、ホームパーティを開くことを密かに計画している。
階段を上がった先の2階には1階の廊下と直交する方向に廊下が伸びており
その一番奥に夫妻の寝室、その手前には廊下の両側に2部屋ずつ、計5部屋あって
そのうちの一つ、廊下右側の奥側の部屋をヴィヴィオが使っている。
そして、将来その隣の部屋がティグアンの私室になる予定であるが、
現在のところティグアンは夫妻の寝室に置かれたベビーベッドで寝起きしている。
廊下左側の2部屋は来客用のベッドルームであるが、うち1部屋は何も
置かれていない空き部屋である。
なお、2階の廊下の天井には屋根裏に上がるための階段が仕込まれている。
廊下突き当たりの夫妻の寝室には大きなダブルベッドが置かれていて、
ゲオルグとなのははそのベッドで共に眠る。
寝室の奥には2つの小部屋があり、なのはとゲオルグがそれぞれ
プライベートスペースとして使っている。
以上、間取りとしては6LDK+納戸というのがシュミット邸の全貌である。
閑話休題。
なのはとゲオルグは廊下をつきあたりまで進むと扉を開けて2人の寝室に入った。
2人が眠るベッドは綺麗にメイキングされ、南側に面した窓から差し込む太陽の光が
部屋の中を明るく照らしていた。
「うん・・・ここも問題なし、だね」
そのあと、なのはは来客用のベッドルームと空き部屋、そしてトイレを次々と点検し
階段のところまで戻ってきた。
その間、ゲオルグは自信ありげに微笑みながらなのはの後をついて歩いていた。
「うん、合格。 お疲れさま、ゲオルグくん」
「そりゃどうも。 他にやることあるか?」
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