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少女の加護
3部分:第三章
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礼しました」
 それを受けて言葉をあらためる。
「お呼びでしょうか、艦長」
「ええ、メリジェーヌ二等兵」
 彼女もこっそりと呼び方を変えていた。リュシエンヌとはいつも屋敷等で呼んでいた名前でありメリジェーヌが姓なのである。軍にいる時の呼び方に変えたのだ。
「ワインはあるかしら」
 クレスパンは優しい声で彼女にそう問う。
「ワインでございますか」
「あれば出して欲しいのだけれど」
「畏まりました」
 メリジェーヌはそれを受けて艦長室の端の棚からクリスタルのグラスを二つとボトルを二本取り出す。そしてチーズやハムも出してきた。
「これで宜しいでしょうか」
「このワインは」
「ルルド産です」
 メリジェーヌは主の問いに答えた。
「それで宜しいでしょうか」
「ええ、有り難う」
 気品のある笑顔でそれに応える。その顔を見るとどうにも軍人には見えない。高貴な家の奥方に見える。実際そうなのであるがやはり戦場に出るにはいささか頼りない外見ではあった。


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