【IS】百万回負けても、諦めない。
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をプログラムで組んでおいた。相手に対してどのように距離を取りつつアリーナ内で動き回るかのルートを自動生成するプログラムだ。ISの処理能力パネぇ。
これ、相手や僚機も含めて3機以上だと人がついて行けない複雑怪奇なルートを生成するのだが、一対一なら割と有効。このシステムの存在を相手に知られていなければ尚有効だ。おー便利便利。プログラム工学齧っててよかった。
「今日はやけに動きがいいわね……!まさか、今まで手を抜いてたの?イケナイ子だわ!これはもう貴方の自室で夜の個人レッスンね!」
「うわぁ、引くわぁ。その発言はないわぁ……」
「あら、意外と冷めた反応……」
「16歳とかババァですわ」
「まさかの今更ロリコン宣言!?……ってコラ!今の言ってみただけでしょ!」
「あ、やっぱバレます?」
別にロリコンじゃないので。ただのロボットジャンキーなので。
それはそれとして、いい加減回避機動が読まれてきた。さっきからこちらを追い詰めるような円形軌道で機体を一カ所の空間に縛り付けるように動いている。無理をすれば逃れる事も出来るが、リスクが高いし今回の作戦の趣旨から外れるので敢えて乗る。
段々と蒸してきた。湿度計をチラリと見ると、結構危ない。
クリアパッション……略してクリパの発動のために楯無さんが俺の周囲にアクアナノマシンを散布しているのだ。あれは自分の周囲にも散布できるが、こうして空間的な散布も可能。あの人ならこの状況、無理に責めずにあぶり出そうとそれを使って来ると思った。装甲が薄い分、今日はいつも以上に効く。というか恐らく喰らえば一撃死。
だがこれも計算通り。言うならば操縦者が使う定石というのは本人なりの必勝パターンな訳で、コンピュータのアルゴリスムと似通ってる部分は否めない。だからといって全部同じにはならないが、限定環境下ならホレこの通り。これも長く戦い続けて得られたデータだ。
防ぎながら、クリパの発動モーションを待つ。待つ。ただ待つ。
待っていることがばれると択をかけられて状況が振出しに戻る可能性がある。なので不信がられないように反撃が必要だ。右手の盾で防ぎながら、左手にIS用拳銃を握り、隙を見て発砲。盾を掲げながらなので照準が酷いが、とにかく抵抗しているというアピールをする。
「う〜ん……悪い手とは言わないけど、それってガードしてるだけの状態に毛が生えた程度の反撃よね?せめてもうちょっと射撃訓練積もうよ」
「この試合が終わったら精進します」
実際、やらないとまずい。というのも、今回の戦法は楯無さんのミレディが紙装甲であるから成り立つものであり、他のISでは全く以て必勝戦法になりえない。射撃訓練で動ける的に当てられなければ勝つための手札が欠落しているということだ。今回は訓練が間に合わないから敢えて札を捨てた
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