【IS】百万回負けても、諦めない。
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、そんな俺の作業風景を横からのぞいている少女がいた。
水色の髪……まさか楯無さんが送り込んだスパイじゃないだろうな!?俺は素早くデータを保存してモニタ電源を落とした。
「なんか用事?」
「………………」
眼鏡っ子である。特に理由はないが気が弱そうだ。どことなく楯無って人の面影があるので姉妹とかかもしれない。彼女はこちらに何やら複雑な感情の籠った視線を見せ、やがて口を開く。
「勝てるの?」
「勝つけど?」
ほぼ条件反射だったが、俺は自信満々に答えた。
もしもこの対策で駄目ならこの対策の何がいけなかったのかを洗い直す。
そして位置からデータを集め直してまた挑む。
「でも、今まで毎回負けてた……」
「戦わないと勝つためのデータが取れないじゃん。事前情報なしに勝つなんて無理無理」
「負けるのが怖くないの?」
何を言ってるんだこの子は。負けるのは当たり前じゃないか。
戦いってのは情報が命だ。そして、こっちは晒せる情報がないが、あちらから情報を得ることは出来る。イコール追い詰めているのはこちらだ。
「あのさ、RPGとかのゲームって時々どうやったら勝てるのか全く分からないボスとか出てくるじゃない」
「う、うん………裏ボスとか?」
「そうそう。で、勝ち方がわかんねぇ!ってなってネットで調べたりすると、実は論理立てて考えればちゃんと勝てる道があるんだよな」
「そうじゃないと、ゲームとして成立しない………」
「そういうことじゃないだろ」
ゲームだから勝てる勝てないってのはちょっと違うと思う。勝ち方が分からないから負けるんだ、というのが俺の考え方だ。
「そりゃ確かにデータ的に絶対勝てない相手ならしょうがないとは俺も思うけどさ。あの楯無って人はやって勝てない相手とは思わないね。事実、戦えば戦うほど進展があった。明日は勝つよ、あの人に」
……ちょっと見栄張ってしまった。反省である。
しかしその見栄に女の子はちょっとムキになって反論してきた。
「相手は、あなたより何年も長くIS訓練をして、ロシアの代表になった、天才。こんな短期間で、勝てる訳……ない!」
「まぁ確かにそうかもしれない。だけど少なくとも俺は専用機の開発が完成するより前には必ず勝つね。絶対に勝つね」
「負ける!貴方なんかが……お姉ちゃんに勝てる訳、ない!」
というかやっぱり姉妹だったのか。お姉ちゃん大好きシスコンなのか。
だが俺は勝つね。
「いーやそれでも勝つ」
「負ける」
「勝つ」
「負けるっ!!」
「お、言ったなぁ?じゃあ俺が明日勝てなかったら君に秘蔵のブラックサレナ・グリフォン・ブラックオックスの黒い三連星フィギュアくれてやるよ!全部が限定盤だ!!おまけにスサノオとビッグ・オーにジ・エンドもくれてやらぁ
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