【IS】百万回負けても、諦めない。
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イト!しかし歩む道はザ・辛いという面白くもない状況なのです」
「……普通さ、勝てないからもっと強いISを使おうって考えないかな?」
「で、出た……研究所とか政府の人が散々言ってきた台詞!!」
もー耳にタコが生えてきて俺の顔に吸盤張付けそうなほどに聞き慣れた意見である。言うまでもなく却下だ。
「俺は愛着が強い人間なんですぅー。勝ちたいから打鉄を手放すんじゃなくて、打鉄で勝ちたいんですぅー」
「でも現実として打鉄使ってるのに負けてるわよね?やっぱり性能差って大きいから素直に変えるべきだとオネーサンは思うなぁ」
何、あんた政府の回し者なの?そんなに俺から打鉄ちゃんを引き剥がしたいのか!!
俺は決めたんだ。この打鉄ちゃんで一生戦うんだ。昔パトレイバーって漫画で主人公の泉ちゃんが自分のレイバーを「パトちゃん」と呼んで可愛がっていた気持ちが俺にはよく分かる。俺もこいつが可愛い。戦いで傷付けてしまうことはある程度割り切っているが、俺は遊び半分で新型を拒否してる訳じゃないのだ。
「お言葉返すようですが、打鉄に乗ってても強い人は強いです。先生方を見ればそれは間違いない。だから打鉄で勝つのは不可能じゃない。そうは考えられませんかね?」
「まぁそうなんだけど……正直それを目指すには君はまだ早すぎると思うよ。だってキミってば未熟で弱いド素人だもん」
「新型に乗ったから玄人になる訳でもないでしょ?だいたいこの学校の生徒は卒業するまで打鉄かラファール!なら条件はみんなと同じです。以上、お話終わり!!」
急いでデータを纏めないと睡眠時間を削ってしまう。俺はとっとと練習アリーナから撤収した。
= =
さて困ったものだ、と楯無はため息をついた。
政府からはどうにか彼を負かして専用機受け取りを承諾させてほしいという要求をされている。楯無としても訓練機よりは専用機に乗ってもらった方が有事の際に生存率が上がって助かる。だが彼ときたら、なんど打ち負かしてもまったくへこたれない。タフにもほどがある。
IS素人というのは大体、勝ったり負けたりで一喜一憂して浮き沈みするのが普通なのだ。くよくよ悩むし色々後悔する。そういう過程を経て、段々と戦いを理解していく。
だが彼はどうも敗北前提で戦っているように見えた。今日もショットガンやサブマシンガンなど使い慣れて見ない武器を持ち込んで色々とやっていたが、それだけだったのでさっさと撃ち落とした。
で、その癖口と態度はまだ全然勝つ気でいるのだから分からない。
さっきもはっきりと「弱いくせに意地張るな」と伝えたのに、返ってきた返事は「意地を張っても張らなくても結果は一緒」でばっさりだ。取り付く島もない。どんだけ打鉄を愛しているんだろうか。
弱い時に高性能なISを求めるのは
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