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少女の加護
2部分:第二章
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第二章

「物資はどうなっているか」
 グレールは今度は補給担当の参謀に尋ねた。
「思わしくありません」
 問われたその参謀は首を横に振って言う。
「一回の戦闘ですね、今の状況で」
「そうか」
「このトリトン星系も放棄せざるを得ないと思いますが」
 主席参謀が述べた。
「このままでは」
「総司令部からは何と言ってきている」
「軍団司令部は今戦闘中のようです」
 通信参謀から報告が入った。
「ですから連絡は」
「ではここは危急の際の判断をとらせてもらうか」
 グレールは俯き気味でこう述べた。
「致し方ないな」
「一回の戦闘ですか」
「もう一個の艦隊は」
「第二四一艦隊です」
「彼等はもう戦えないだろうな」
「おそらくは」
「損害が三割、そして負傷者もかなりの数で」
「では我々だけでやるしかないか」
「義勇軍を相手に」
「一回の戦闘とはいえ。大丈夫でしょうか」
「そういう問題ではない」
 グレールは呻くようにしてまた述べた。
「大丈夫にするのだ、いいな」
「わかりました」
「それでは」
「戦闘用意に入れ。偵察艇を出せ」
 彼は指示を出す。
「そして我が艦隊は前に出るぞ。よいな」
「了解」
「だが一度だけだ」
 その声はやはり苦々しい。本来ならば金髪に緑の目を持ち引き締まった端整な顔である筈のその顔も苦々しいものになっている。それが今の彼等の置かれた状況を何よりも物語っていた。

 第一七五艦隊は前に出る。全艦艇がグラールの指示に従い動く。その中には空母ジャンヌ=ダルクもあった。
 第一七五艦隊の空母にしては損害が軽微だった。無傷と言っていい。他の艦艇が大なり小なりダメージを受けているのに対してそれは奇跡とも言える程であった。
 実はこのジャンヌ=ダルクは第一七五艦隊においては非常に有名な艦となっている。不沈艦であると。幾多の死闘を潜り抜けてまだこれといったダメージを受けていないからである。
 そのジャンヌ=ダルクもまた前に進む。その中で待機するパイロット達はレクレーションルームにおいて出撃前のささやかな時間を過ごしていた。
「また戦闘なのはいいが」
 気品のある口髭の男がまず口を開いた。
「我々だけで戦うことになるとはな」
「第二四一艦隊はほぼ戦闘不能、第四七二艦隊は消息不明」
 若いパイロットが言う。
「これでは仕方ないでしょう」
「仕方ないか」
「今の状況じゃ。戦える艦隊がここにいるだけでも」
「そうなるか」
「ええ。どうしようもありません」
 若いパイロットはふう、と溜息をついてこう言った。
「負け続きですからね、我々は」
「最初から今までな」
 中年の灰色の目の男が忌々しげに述べた。
「俺達勝ったことあったか?」
「残念ながら」
 若
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