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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-26
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これからが二人にとって最も憂鬱な時間なのだ。
◯
波の音が辺りに響く。向こうからは生徒たちが騒ぐ声がかすかに聞こえてくる。空は快晴、雲一つない中容赦なく太陽が照りつけてくる。
水着の上にパーカーを羽織り、木陰にいるのは蓮、束、ラウラの三人だ。
「ラウラは遊ばないのか?」
「海は好きじゃないんだ。前に訓練中の事故で部下を一人亡くしているからな。そう燥いで遊ぼうとは思わないんだ」
「そうか、悪いな」
「いや、気にしなくていい」
そうしてまた波の音だけが辺りに響き始める。引いていく波、押し寄せていく波。それをずっと目で追いかけていると向こうから千冬がやってきた。
「こんなところにいたのか。向こうで遊ばないのか?」
「うん」
三人とも病的なまでに肌が白いことを気にしていると思ってそんなことを言っているかもしれないが、これは生まれつきであるし、遊んで燥ごうという気持ちにもなれなかった。だから時間が来るまでずっとここにいた方がまし。今回ばかりは周りの目も気になる。
「……そうか。時間までには戻るようにな」
「はい」
千冬が去ると会話が切れて波の音が響く。ただいるだけというのは人によっては苦痛に感じるかもしれないが、少なくともここにいる三人にとっては、下界から切り離された心を落ち着けて過ごせた時間であった。
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