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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-26
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りていく。それを気にした様子も見せない束。それが気に入らない様に一夏が隣を通っていく。
後ろから来る生徒がいなくなったところで二人もバスから降りて荷物を取っていく。
全員が降りたのを確認して真耶がバスの中を見回り、忘れ物がないのを確認すると降りて荷物を取って生徒たちのもとへと歩く。
後ろでバスが去っていくのを尻目に千冬は全員が揃ったのを見ると旅館の女将さんに挨拶をする。
「これから三日間、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願い致します。私はここ『花月荘』の女将をやっております清州景子と申します」
一夏が千冬に呼ばれたのを見て蓮も千冬のもとへ向かう。後ろには束がついてくるが。
一夏の拙い挨拶の後に蓮も千冬から合図を貰って女将と向かう。隣には束も荷物を置いて並ぶ。
「あら? こちらも……?」
「はい、隣の織斑君と同じ男性操縦者の御袰衣蓮です。これから三日間、よろしくお願いします」
「私はISの発明者、篠ノ之束。稀代の天才などと持て囃されておりますが、まだまだ青い芽です。今回は極秘で参加させてもらってます。よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いしますね?」
束を知っている人は、今の束が信じられなかった。まさかという表情の箒に唖然とするしかない一夏。千冬は顔にこそ出さないものの、動揺が感じられる。目の前で自己紹介から挨拶、お辞儀まで完璧である束が信じられなかった。だが、そんなことは蓮と束にとってはどうでもいいことだった。
問題は目の前にいる女性、清州景子だ。
彼女が裏に通じているかとか色々考えたうえで脅しの意味も込めて束は挨拶したのだ。だが、それに動揺を見せることはなかった。本当にお客として迎え入れているのか、それともかなりのやり手なのか。いまいち判断のつけようがなかった。束は嘆息して肩の力を抜いた。
「それで織斑先生、部屋は何処ですか?」
「……あ、ああこっちだ。では失礼します」
一夏と一緒に連れられてきたのは、職員が寝泊まりするエリア。どうやら騒ぎを緩和するために職員――――織斑姉弟でまとめたのだろう。互いにブラコン、シスコンのきらいがある二人にとっては逆に丁度いいのかもしれない。むしろ束と蓮が二人部屋だったのは驚いた。千冬曰く、二人にしてもらった方が問題も少ないし、蓮に近寄る女子もほとんどいないからということだった。
当然束は喜ぶ。千冬からは羽目をはずし過ぎるなよと釘を刺されたが、おそらくそれは無理だろう。まあ、出来る限り抑えるが束がどう出るかによるのだ、結局のところ。……それは夜に、その時になってから考えよう。今は海だ。行きたくはないが、浜辺で過ごすことが決められてしまっている。
「「ハアッ……」」
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