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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-26
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もと赤かった顔がさらに赤みを増していく。


 そうして頭に戻るのだ。


 ◯


 思い出したらまた顔が赤くなった。でも、恥ずかしいけど嫌じゃなかった。むしろ心地の良いものに感じる。
 楯無はベットから体を起こすと自分の頬を一回叩いた。パンッと小気味のいい音を立てて部屋に反射する。さっきまで愚図ってた自分を切り替えるために、気持ちから切り替えるために。そうしてからまずやることは……


「……顔、洗わなきゃ」


 泣いて赤くなってしまった目元を直す為に顔を洗うことだった。


 ◯


「海っ! 見えたあっ!!」


 バスの中でクラスメイトの誰かが声を上げる。それを皮切りに車内は一気に騒がしくなる。もっと限定的にいえば、織斑一夏が座っている辺りが最も騒がしかったりする。逆に座席順で前に座っている蓮と束は、前に千冬が座っていることもあるのかもしれないが、とても静かだった。不審に思った千冬が振り返って確認すると二人とも寝ていた。
 肩を寄せ合って頭を重ね合わせて静かに寝息を立てていた。すごく絵になる光景で一瞬硬直してしまったが、すぐに我を取り戻す。うるさい車内であるが今日ぐらいはいいだろうと大目に見ることにしてこれからのスケジュールを確認し始めた。


『とうとう、来ちゃったね』
『……ああ』
『私は嬉しんだけどね。場所が場所なだけに、ちょっとね』
『俺もお前も海嫌いだからな』
『嫌いってわけじゃないけど、水って動きを制限されちゃうから嫌』
『まさか誰も水の中を泳ぎたくないって理由からISが作られたとは思わないよな』
『あ、ひどぉーい。それは作った理由には少ししか入ってないんだよ?』
『結局入っているじゃないか』
『あう』


 二人は寝ていたわけではないのだ。狸寝入りを決め込んでトコトン寝たふりをしていたのだ。無駄にスペックの高い二人がこんなことに全力を費やせば、目の前にいる世界最強でさえ誤魔化せるのだ。まさしく才能の無駄遣いである。
 勿論ただ黙っているのは暇で暇でつまらないから、個人通信(プライベート・チャンネル)を用いて他愛のない? ことを話していた。その中には世界が耳を疑うようなことも含まれているが二人にとってはどうでもいいことだった。


 それから少し経ってバスがとある旅館の前で止まる。どうやらここがこれから三日間お世話になるところらしかった。
 千冬を先頭にして生徒がどんどん降りていく。真耶が最後に残って忘れものなどの確認をするようだ。そろそろタイミングのいいところでいかにも今起きたように装う。丁度通路を通り過ぎた箒は束の顔を見ると訝しむような表情を向ける。そんな顔をする妹を知ってか知らずか束は微笑み返した。それが気に入らなかったのか不機嫌そうに降
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