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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-26
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囲気を漂わせている彼女を放ってはいけなかった。内心は、構ってあげたいのだが時間を守らなければならない。
「じゃあ、行くからな」
そう声をかけて荷物を手に部屋を出ようとする。
だが、すぐにその足は止まった。楯無が蓮の腕をつかんでいるのだ。無駄に隠密行動が出来るために気配を全く感じなかったが、彼には動揺の色はなかった。
蓮は振り払おうと腕を振るが、楯無は一向に離そうとしない。むしろ、離すまいと力を込めてきている。集合時間まではそんなに余裕がないから急ぎたいのだが、これでは遅れてしまう。
「楯無」
「…………いや。行かないで」
「そうも言っていられないんだ」
「やだっ! 行かないで! ここで行かせちゃうともう手の届かないところに行っちゃいそうで嫌だぁ!!」
俯いていた顔を蓮に向ける。目の周りは赤く腫れぼったくなって泣いていたのが分かる。少女らしい小ぶりな唇も小刻みに震えている。ここまで来てようやく蓮は理解した。
彼女は、楯無は一人の少女として見てほしかったのだ。更識家十七代目当主更識楯無としてではなく、更識刀奈として。先程の叫びも今まで溜め込んでいた本音の叫びだったのだ。
蓮はため息を一つついた。誰に対しての溜息ではなく、一つ間を開けるために。そして荷物を詰めた鞄を床に置き、楯無に――――いや、刀奈に向き合う。
刀奈は蓮を向かい合うと萎縮したように身を竦める。いつの間にか離されて自由になっていた腕を刀奈の肩に乗せてベットに押した。
突然のことに何が起きたか分からない刀奈は少し赤い目をいつもより見開いて抵抗の暇なくベットに倒れる。その拍子にベットが軋む。それも気にすることなく蓮が上に覆いかぶさる。さらにベットが軋んだ。
「……えっ。な、何」
「刀奈」
キュンっと聞こえた気がした。目元の赤みが気に無くなるぐらい刀奈の顔が赤く染まる。
倒れた拍子に着崩れた制服から覗く肌が妙に艶めかしく感じるが蓮は意識しないようにする。いつもなら飄々としてからかい好きのお姉さんという印象を持つが、今は小さい保護欲をかきたてられる小動物のようだった。
「刀奈。ちゃんを帰ってくるから、待っていてくれないか? 何があっても君のもとへ戻るから」
「……ほん、とう…………に?」
「ああ」
「……分かったわ。じゃあ、待ってる」
刀奈の返事に満足した蓮は、彼女の不意を突くようにいつも前髪で隠れているおでこに軽く口づけを落としていく。自分からやっておいて恥ずかしくなった蓮は、ひと声かけるとそのまま部屋を出て行った。
残された刀奈は、何が起こったのか理解するまでに少しの時間を要した。そうして時間をかけて何をされたのか噛み砕いて理解すると、もと
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