12部分:第十二章
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いるとは思えませんが」
「何も人命だけではないのだ」
司令は言う。
「人で戦う。それを忘れては」
「本末転倒ですか」
「まあいい。彼等はとにかく死なないことが目標なのだろう?」
「ええ」
これもまた事実である。連合軍は犠牲を出さないことを重要視している軍隊なのである。かなり政治的な事情があるにしろだ。実はこれは正規軍の将兵にとっては実にいいことなのだ。命を捨てずに済むならそれに越したことはない。その為のシステムでもあるのだ。
「ならそれでいいのか」
「我々を楯にしてでも」
「何、元々そういう軍隊だ、我々は」
それはもう割り切っていた。
「難民で居候だからな。その程度のことはしないとな」
「ですね。今後の為にも」
「ではとりあえずはその今後の為に動こう」
彼は命じた。
「追撃だ。いいな」
「了解」
皆それに頷く。義勇軍もまた正規軍に続く形で追撃にかかる。だがその頃にはもうエウロパ軍第一七五艦隊は悠々と戦場を離脱していたのであった。
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