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ルドガーinD×D (改)
三十四話:どちらかを選ぶことは大変だ
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選べば相手を傷つけ、傷つけることを拒めば守れない。これがどうしようもないこの世の真理なんだ。だから……覚悟が必要なんだ。何に代えてでも大切な者を守る覚悟が。


「なあ、ルドガー……それってどうやって折り合いをつけたらいいんだ?」


残酷な現実に苦しそうな表情を浮かべながら俺にそう尋ねて来るイッセー。
ギャスパーも同じように頷いている。折り合いなんて……つけられるものじゃないさ。


「折り合いなんてつけていない。つけられるものでもないんだ。ただ……背負うだけだ。例え、それが誰かを守るためであっても、そんな理屈は傷つけられる側にとっては関係のない話だ。それが剣を取って戦う者の“業”だ。それができないのなら、誰かを守ろうだなんて考えるのはやめるんだな」


「それじゃあ……償えないんですか?」

「それだと……ずっと罰を受け続けないといけないのかよ」


俺の言葉に対して茫然とした表情を浮かべるギャスパーとイッセー。
罪を背負い続け、償いの心を持ち続けることそれが本当の意味での贖罪だ。以前の俺のように罰を与えられて罰せられていることに安堵することは償いじゃないんだ。そのことだけは二人に知っていて欲しいから、ミラに教えてもらった事を忘れたくないないから俺は二人にミラに教えてもらった事を伝える。


「罪を償いたいならそれを背負ったまま幸せにならないといけない。
 罰に甘んじて償う心を忘れることだけは絶対にいけないことなんだ」


以前の俺のようには二人にはなって欲しくない。そうならないように選択をするんだ。
俺はイッセーには守る覚悟をつけて貰う為に、ギャスパーには今から一歩踏み出して貰う為に選択を促す言葉を発する。


「誰かを傷つける覚悟を持って大切な者を守るか、誰も傷つけない覚悟を持って大切な者を守らないか……選ばないといけない。勿論選ばないこともできる。確かに選ばないだけなら不満はないかもしれない。でも変わることもないんだ。だから―――選ぶ覚悟をして欲しい」


「選ぶ……」

「覚悟……」


ここまで言えば、俺にはもう何も言うことは無い。後は二人次第だ。俺は話がここで終わったことを知らせるために二人のケーキの皿を下げ始める。気を利かせて散歩に出て行った黒歌もそろそろ帰って来るだろうから丁度いいタイミングだろう。

そんな俺の様子を見てまだ、色々と考えながらも立ち上がり帰りの支度を始めるイッセーとギャスパー。どうでもいいけど中身を知っていると段ボール箱を持ち上げるイッセーは中々にシュールだ。あれ、警察に見つかったら誘拐の現場と間違われるんじゃないのか?

そんなどうでもいいことを考えているとイッセーが何かを思い出したように俺の方に顔を向けてきた。なんだ? 何か他に用事で
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