三十四話:どちらかを選ぶことは大変だ
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力な神器を持ったせいで人間界では化け物としてヴァンパイアとしては純血でないという理由で差別され続けて対人恐怖症になったらしい……。
それで外に行くリハビリを兼ねてイッセーと一緒に俺の家に来たらしい。はあ…部長も難しい問題を俺に押し付けてくるよな……こういうのは本人が克服しない限りはどうしようもないからな。まあ、俺も出来るだけ話してみるか。取りあえず、人と話すだけでもリハビリになるだろうしな。
「用意が出来たぞ、ギャスパーはどうする? 椅子に座って食べるか。それとも、その中で食べるか?」
「………中でお願いしますうぅぅ。で、でも、ちゃんと顔は出します」
「そうか、偉いなギャスパー」
俺は恐る恐るといった感じで段ボール箱の中から顔を覗かせるギャスパーの頭を撫でる。
最初はビクッとして顔を引っ込めようとしていたけど、徐々に俺に害意がないことが分かると気持ちよさそうに目を細めて受け入れてくれた。
イッセーが筋金入りの女装癖だって言っていたけど本当にこうしてみるとただの金髪の美少女にしか見えないな。俺はそんな事を思いながら、なおもギャスパーの頭を撫で続ける。
何と言うか最近は年下を可愛がることが多い気がするな、例えば小猫とかルフェイちゃんとか、そう心の中でそう呟き、手を離す。
「それじゃあ、味見を頼むよ。食べたら感想を頼むよ」
「はいですううう!」
「わかった」
「すごく、美味しかったですううう!」
「ああ、美味かったぜ。……相変わらずトマトなのはきつかったけどな」
満足げな表情をして俺が作った『トマトケーキ』を食べてのそれぞれの感想を言う二人。俺はその感想をメモにとっていき次回作に繋がるものを考えていく。因みにイッセーの後半部分の言葉は無視させてもらった。トマトを使わないなんて選択肢は今の俺には欠片たりとも存在しない!
「ありがとうな、二人共。次回作が出来たらまた呼ぶよ」
「は、はいです」
「俺はいい加減トマト以外が食べたいんだけどな……」
全く、イッセーの奴、そうまでしてトマトが食べたくないのか。あれだけトマトの魅力を引き出した料理を食べさせてやったのにもかかわらず、未だにトマトが好きになれないなんて嘆かわしい限りだ。どうやらまた絶拳の練習台になりたいらしいな。
もしくは『無限のトマト料理』の出番だな。すぐにトマト無しではいられない体にしてやる。それか新技『招き蕩うトマト食堂』をつかってやるかのどちらかだな。どちらにしろ腕がなるな!
「なんだ? また寒気が……最近体調でも悪いのか」
「気のせいだろ。それよりも今回の契約の対価は何なんだ」
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