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少女の加護
10部分:第十章
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 彼女は女ではあっても騎士だった。今騎士としてザーヒダンに接しているのだ。
「卿・・・・・・いや、貴官の申し出喜んで受けよう」
「有り難い」
 ザーヒダンはその言葉を聞いて満足そうに頷く。
「そうでなくてはな。戦いは互いの力を出し尽くして行うもの」
 彼は言う。
「だからこそ美しいのだ」
「それは同意だ」
 ザーヒダンを見据えて答える。
「だがだからこそ容赦はしない」
「容赦なぞ不要だ」
 ザーヒダンも言い返す。
「こちらは全力で貴官を倒したいのだからな」
「いいわ、それで」
 これこそエリザベートが待っていた言葉であった。
「では名乗りは終わりね」
「うむ」
「行くわよ、ザーヒダン少佐」
「こちらこそだ、アルプ少佐」
 互いの愛機がそれぞれ動きはじめる。銀河の中に二つの流星が巡り合い、ぶつかり合おうとしていた。


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