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少女の加護
1部分:第一章
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すがその彼等により」
「我等の損害はかなりのものになっている」
「このトリトン星系にも義勇軍が近付いて来ております」
 参謀の一人がグレールに報告する。
「一個艦隊ですが」
「こちらは一応三個艦隊いるな、我々を含めて」
「はい」
 報告した参謀はそれに頷くがその顔は決して明るくはない。三個艦隊もいるというのにだ。
「既に二割を失った我々と損害が三割に達しようとしているもう一個の艦隊」
「そして最後の一個艦隊は」
「まだ連絡が取れません」
 別の参謀が報告した。
「本来ならばもうこのトリトンにおいて合流している筈なのですが」
「本来ならばな」
 グレールは苦々しげにそう言った。
「だが戦争において予定や本来といったものは容易に変わる」
「はい」
「おそらく。敵に捕まったな」
「連絡は依然として」
「無事ならばいいがな」
 グラールの声は苦々しげなままであった。
「それを祈るだけだ」
「若しくは別の星系に逃れているか」
 エウロパ軍の敗走は何とか秩序だっていた。だがそれでもこうして行方不明になる艦隊も増えていたのだ。彼等は今絶望的な戦いを繰り広げていた。それでも。彼等は戦わなくてはならなかったのだ。


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