4部分:第四章
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何とそこにいたのは森宮だった。あの大空襲の時よりやつれしかも頭には包帯を巻き左手を吊っていたがそれでもそこに立っていたのだった。靖国の石畳の上に。
「ここに来るのはな」
「待っておられたのですか」
「俺の作った曲だ」
彼は静かに微笑んで彼に述べた。
「俺が捧げるものだ。違うか」
「ですが貴方は」
「この程度の傷」
己の傷をものともしない言葉だった。
「どうしたものか」
「入院されていた筈なのに」
「あんな場所にいてられるものか」
一言で言い捨てたのだった。病院に関しては。
「無理に退院させてもらったわ」
「大丈夫ですか?」
服部は彼のその頭と左手を見て言う。確かに曲は届けたがその時負傷したのだ。そしてその傷は決して浅くはない。何しろ入院する程なのだ。
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