第十三話 立花中尉!野球は九人でするものだ!その十五
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「よし、これでな!」
「二点だぜ!」
尚武はベンチに戻った兄とハイタッチしつつ言った。
「この二点は大きいぜ!」
「ああ、最高だぜ!」
「これで勝ちだ!」
「俺達の勝ちだぜ!」
「珍しくまともに勝てるな、今回は!」
「この作品の連載はじまって以来だぜ!」
つまりこれまで正々堂々と戦って勝ったことがないのだ、この二人は。
「じゃあこのままな!」
「最後までいくぜ!」
十八回裏まで抑えようとした、だが。
その十八回裏にだ、気付けば。
二死満塁になっていた、しかもだ。
「おいおい、立花中尉かよ」
「中尉がバッターかよ」
二人はマウンドでこう話していた。
「ツーアウト満塁でか」
「相手は今回のメインの敵か」
「ここで打たれるのはな」
「もうあれしかないな」
そうだった、延長十八回裏ツーアウト満塁で打たれるものはというと。
「ホームランだな」
「逆転満塁サヨナラホームラン」
「それ打たれるな」
「それしかないな」
最早これ以外考えられなかった、そして。
二人はだ、意を決した顔で話した。
「打たれない為にな」
「ここはな」
「魔球使うか」
「ああ、そうしてな」
「絶対に勝つ」
「大島優子さんの為に」
大島優子さんの写真集とDVDを手に入れる為にというのだ。
「絶対にな」
「手に入れような、勝利を」
「そしてその為には」
「魔球しかない」
昭和の野球漫画の看板だった。
「魔球を投げて」
「勝つか」
こう話してだ、そしてだった。
二人はそれぞれのポジションに戻った、そのうえで。
試合再開となった、そこでだった。
尚智はまずはだ、ランナーは気にせずワインドアップになり。
そこから思いきりだ、ワインドアップから。
「何っ、海老反り!?」
「海老反りか!」
「まだだ!巨人は嫌いだけれどな!」
アンチ巨人でもだ、漫画のネタにはするというのだ。
「このボール、投げさせてもらうぜ!」
「魔球か!」
「魔球投げるのか!」
「あの魔球だぜ!」
こう言ってだ、尚智はその海老反りからだ。
跳び上がった、それは。
「ハイジャンプか!」
「海老反りハイジャンプか!」
「そしてな!」
さらにだった、尚智の動きは。
「これだ!」
「やっぱりそう来たか!」
「分身か!」
「侍ジャイアンツの最終回か!」
十連覇出来なかった時に終わった作品である。
「今度はそれネタにするか!」
「作者巨人嫌いだっていうのにな!」
「ネタにはするんだな!」
「本当に節操がないな作者!」
「この作品書いてる作者に節操なんてあるか!」
尚智も堂々と言う、そして堂々と言いながらだ。
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