歌劇――あるいは破滅への神話
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ていた。
ウラルタはそれを拾い、呼んだ。それから、慌てて、歌劇場で手に入れた紙片と照らしあわせた。
筆跡も、折り目も、書かれた内容も合致していた。
〈星占『いつか全ての光と闇が和合する場所で、月が落ちてくるのを見よう』
腐術の魔女『〉
「何?」
ウラルタは空しく問いかけた。
「私の台詞は何なの?」
ウラルタはじっと待った。霊感が下るのを待った。天啓が下るのを待った。運命がささやくのを待った。何も起きなかった。
叫びそうになった。
すると後ろの衣装戸棚が開いた。
振り向いたウラルタは、戸棚の中から白い腕が突き出されるのを見た。その手に真っ黒い衣裳がつままれていた。
衣裳を床に放ち、腕は衣装戸棚に消えた。戸棚が閉まる。
ウラルタは黒い衣裳に飛びついた。
覚えのある、腐術の魔女の衣裳だった。
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