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ドリトル先生と学園の動物達
第七幕その八

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「話して喋れます」
「では私も」
「どんな人もです」
「そうですか、それは凄いことですね」
「凄くはないですよ」
 先生は日笠さんの憧れのお顔と言葉に微笑んで返しました。
「僕でも出来たのですから」
「いえいえ、誰にも出来ません」
 日笠さんのお顔は憧れのままです、そのうえでの言葉です。
「とても」
「ですから教えてもらえれば」
「そうはいかないですよ、ただ」
「ただ?」
「先生がどういった方かまたわかりました」
 日笠さんは微笑んでこうも言いました。
「そのことは幸いです」
「幸いですか」
「はい、非常に」
「あっ、これは」
「そうよね」 
 二人共お話するのでした。
「そうだね、それじゃあね」
「このままいけばね」
「いよいよね」
「先生にもね」
「春が来るかな」
「僕は何時でも満足しているからね」
 先生はその動物の皆にこうお話しました。
「春ではあるよ」
「だからそうした春じゃなくて」
「人生の春にも色々あるじゃない」
「先生の春はまた別の春よ」
「僕達がここで言うことはね」
 それは、というのです。
「もっとね」
「もっと違う春よ」
「そこをわかってくれないと」
「困るの、私達も」
「そうかな、けれどね」
 動物達はこうも言いました。
「先生だから」
「どうなるやら」
「先生はのんびりしてるから」
「そこがいいところでもあるけれどね」
「こんなのじゃね」
「サラさんもやきもきする筈だよ」
 先生の妹さんのあの人の名前も出るのでした。
「あの人ってね」
「何かと世話焼きだから」
「だから余計になんだよね」
「先生のことが気になってね」
「時々日本に来ていることもあってね」
「今も直接言ってるね」
「また今度来るしね」
 そのサラがというのです。
「日本に来たら絶対に先生のところにも来るし」
「それで色々言うしね」
「特にこのことは」
「そうだよね」
「ううん、何かとね」
 ここで困ったお顔で言う先生でした。
「僕に言うけれど」
「だから、心配だから言うんだよ」
「僕達もサラさんと同じ考えだからね」
「先生、もういい歳なんだからね」
「そろそろね」
「本当に頼むよ」
「何か随分と」
 動物の言葉がわからない日笠さんは目を瞬かせて言うのでした。
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