1部
35話
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戦用のスペースに戻ると、テンテンに声をかけられた。
「ん、ああ……そうだな」
「ヒジリ、どしたの?」
「いや、最後の最後で少し気になることがあってな」
「ふーん、まぁヒジリが何考えてるかじゃよくわかんないけど、考えすぎは良くないよ?」
「……それもそうか」
「そうそう、ヒジリは難しい事じゃなくていつも通り変な事を考えてる方がいいって」
「変な事とはなんだ」
「だって、ヒジリの考える忍具って見たこともないようなのばっかりだし、使い熟すのだって相当難易度の高いのばっかりだし、そんな物をポンポン作り出す考えを変なのって言わずなんていうの?」
「むぅ……」
「まぁ、私はそういうのに助けられてるから有り難いけどね」
「それはどうも。で、君はもう試験への準備は終わったのか?」
私が手伝った段階ではまだ少し準備する箇所が幾つかあったのだが、どうしたのだろうか?
「うん、この試験場で使えるように糸を少し減らした代わりに針を調整しておいたから、調整は射出時の角度を弄るだけだったからね。
いやーヒジリの忍具でもこれの使い勝手は最高だよ」
「私としては作るだけ作ったが持て余した不良品だったのだがな」
実際、作って使ってみたのはいいが、私にとってはかなり使い勝手が悪く、いっそ破棄してしまおうかと考えた程だ。
テンテンに渡した忍具 蜘蛛の糸は相手の行動を制限するために作ったのだが、使い方を少し誤れば使い手の動きも封じるようなものだからな。
さて、彼女は一体どのようにして扱うのか……作り手としても興味が尽きないな。
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