1プロローグ
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テラ、ペタ、エクサときてゼタ。
この途方もない数字にもはや驚くを通り越してあきれてしまった。
そんなインフレ染みたスペックを搭載できる…いや、だからこそ洗練はされたVRだが、使い道は殆どない。一応家庭用にも販売はされているが精々、学校で情報の授業の一環として使われるだけだ。家庭には殆ど馴染みのない無用の長物である。
それも、VRを使って軍事演習が出来るとか何とかで様々な国際規制が掛かってるからとか。
授業では何もない白い空間で、VR内で体を動かす程度の詰まらないものだった。
「お兄ちゃん!キャラ作ってから@weki見てよ!」
「情報収集は大切だろ?それに今はインストール中」
情報収集と言っても概要とスペックの所ばっかりで肝心のゲーム内容の情報は見てないけど。
構わず概要とかを見続ける。
・【PSL】はただ単にゲームを楽しむだけでなく、VR内で様々なことが出来る。現実世界の1時間はゲーム内の12時間となっており、五体満足ではない方でもスポーツが楽しめるようになっている。
・VRに入っている間は寝ている状態と同じになっていて脳に負担をかけることは少ないが、寝過ぎが良くないようにVRに入る時間も注意すること。
そんな期待外れだったVRは、最近規制が緩和されたことによってVRゲームを作ることが許可された。
そこで、世界初となるVRゲームを作るに当たって日本中のゲーム会社が呉越同舟というか一致団結というか、まあ、諸々の問題をどうにかして協力した。
そこに海外からゲーム好きな善意もあれば、邪な理由で協力、制作に参加していたら、いつの間にか日本のゲーム企業を中心とした世界共同開発、あり得ないプロジェクトへと発展していった。
当初はプロジェクトが外国に乗っ取られてしまうのではないかと危惧されていたが、開発陣の中の善意的なゲーマーが国という枠組みを越えて牽制していたため、何とかなったらしい。恐るべしゲーマーの執念。
VRで経つ時間の項目を見て僕はふと、疑問に思った。
「ねえ、繭は何時間プレイしたの?」
「ん?えぇと…13時間ぐらいかな?」
ちょっとまて。
発売されたのは昨日だぞ?それに昨日父が帰ってきたのは昼の12時過ぎで…繭の誕生日を祝ってケーキとか食べたのは7時から9時ぐらいだとして…昼間と夜中はずっとプレイしてたってことか?現実世界ではだいたい13時間、ゲーム時間に換算すると…156時間!?
「何?お兄ちゃん、私との差が気になるの?」
「いや…ちょっとやり過ぎじゃないか?」
「そうでもないよ。ほんとの廃人はまだログアウトしてないんじゃない?」
上には上がいるようだ。廃人にも程があるだろ…。
だけど、安全装置とかどうなってるんだ?
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